Topics 投資

トランプ新政権で仮想通貨(暗号資産)はどうなる?|Bybitでトランプ相場に乗る

初心者向け
投資
2024年12月9日

pixta_28828732_XL.jpg

トランプ前大統領の返り咲きを好感して、仮想通貨(暗号資産)業界が熱狂に包まれています。ビットコイン価格は史上最高値を更新し続け、1 BTC = 10万ドル(約1,500万円)を突破!(2024年12月上旬時点)。ついに時価総額が300兆円の大台に乗りました

Bybit(バイビット)で仮想通貨を取引してきた方は、資産額を見て思わずニンマリとしているのではないでしょうか。なぜ仮想通貨市場が絶好調なのでしょうか?

「米国を仮想通貨の首都にする」。これはトランプ次期大統領が選挙戦中に度々口にしてきた約束です。今後の展開としては、規制緩和や重要人事などが予想されます。さっそくDOGE(政府効率化省)の設立が発表され、史上初となる仮想通貨特命官ポストも検討中と報道されています。

本記事では、トランプ新政権の発足で予想される規制緩和や重要人事のほか、主要な仮想通貨(BTCETHSOLUSDTDOGE)に及ぼす影響についても解説します。毎日の仮想通貨取引に少しでもお役立ていただければ、嬉しい限りです。

Bybit(バイビット)でビットコイン(BTC)を買う

1. 規制緩和と重要人事

pixta_17676664_L 加工版.jpg

上図は米国政治の中心地「ホワイトハウス」です。米国東部の首都ワシントンD.C.内に立地しています。ワシントンD.C.はどの州にも属さず、連邦政府直轄の特別区として運営されています。ニューヨークから南西方向に少し移動した場所にあります。「少し」と言っても約360キロメートルあり、東京駅―名古屋駅間の約366キロと同程度。アメリカ合衆国は広大ですね。

その名のとおり、白色の建物(White House)です。この地で米国政治が動きます。今後予想される動きは「規制緩和と重要人事」。仮想通貨(暗号資産)関連の規制を緩和するためには、規制当局に影響力を持つ役職に誰を据えるのかが非常に重要になります。

ちなみに、筆者は10年以上前に、ホワイトハウス前まで行ったことがありますが、当然ながら柵があって敷地内には入れませんでした。TVニュースからは「とても威厳のある建物」に感じていましたが、実際に自分の目で見ると、意外と「あっさり」したものでした(芝生が広くてポツンと立っている印象)。皆さんはどのような印象をお持ちでしょうか。

このセクションでは、規制緩和と重要人事について解説します。その前に、アメリカにおける仮想通貨の位置づけを知っておきましょう。なぜなら、ごく一部のアメリカ人しか仮想通貨を保有していないのであれば、たとえトランプ新政権が規制緩和を唱えても、厚い壁に阻まれる恐れがあるからです。

仮想通貨が重要な資産形成の手段に:アメリカ人の1割超が仮想通貨を保有

米国人の何割が仮想通貨を保有しているのでしょうか?その保有割合は今後の規制緩和に大きく影響するはず。FRB(米国準備制度理事会)の2023年度調査によれば、仮想通貨を保有・使用する米国成人は約1800万人、全人口の約1割を占めています。最近の値上がりを考慮すれば、既に2000万人を突破していると予想されます。もはや仮想通貨はアメリカ人にとって投機的な資産クラスではなく、資産形成に向けた重要な投資対象となっています。

さらに、個人に留まらず、年金基金などもビットコイン現物ETFイーサリアム現物ETFなどの保有額を積極的に増やしており、仮想通貨の重要性は増しています。アメリカ人が個人で保有している割合が1割だとしても、資産形成用のファンドも合わせれば、その倍以上が仮想通貨に関わっているはず。

もちろん、トランプ大統領も、ヴァンス副大統領も仮想通貨を保有しています。なお、トランプ氏が正式に大統領に就任するのは、2025年1月20日ですが、本記事では「トランプ大統領」と記載しています(他の役職者も同様の表記方針)。

予想される規制緩和とは?

トランプ大統領の勝利が決定して以降、2週間ほどでビットコイン価格は約50%上昇。1 BTC保有していれば、半月で500万円の税引前利益が手に入った計算です。トランプ氏の再登板はビットコイン(BTC)に留まらず、仮想通貨市場全体を強力に押し上げています。

なぜ「トランプ勝利=仮想通貨急騰」の図式が成り立つのでしょうか?実は、今回の米国選挙で仮想通貨業界は約1億3500万ドル(約207億円)に及ぶ資金を投じ、民主党員と共和党員、現職と挑戦者、本命と大穴など、50人以上の候補を強力にし、その全員が当選しました(出所:Bloomberg)。

仮想通貨業界が推す議員候補が全勝しました。その結果、トランプ氏をはじめ、当選した候補は、支援者である仮想通貨業界が待望する規制緩和に注力するでしょう。今回の米国選挙はトランプ陣営および共和党の大勝利だけでなく、仮想通貨業界の大勝利とも言えます。その影響力は確固たるものになりつつあります。では、どのような規制緩和が予想されるのか、詳しく見ていきましょう。

A)SEC(米国証券取引委員会):ゲンスラー委員長は退任へ

SEC.png

(出所:SEC公式ウェブサイト

仮想通貨業界にとって最大の宿敵は、SEC(米国証券取引委員会)と言えます。今までに幾度となく規制に阻まれてきました。もちろん、SEC側にも言い分があります。仮想通貨が米国人の資産形成に占める割合が高まる中、もし仮想通貨の価値が暴落する事態になれば大問題です。そのような事態を回避するためにも、SECには適切な規制を敷いて個人や企業の財産を守る責務があります。

しかし、行き過ぎた規制は産業そのものの成長を阻害します。SECはどのような仮想通貨(暗号資産)が「証券」に該当するかを明確に示す規則やガイドラインを設けておらず、業界関係者は不透明な環境下での事業展開を余儀なくされています。SECには「証券」の定義を曖昧にして、規制の網を広げる狙いがあると思われます。

例えば、2023年6月、SECは仮想通貨大手コインベースを相手取り、連邦証券法に違反して未登録の証券を提供したとして、提訴しました。具体的には13の仮想通貨が対象であり、その中には時価総額4位のソラナ(SOL)をはじめ、カルダノ(ADA)ポリゴン(MATIC)も含まれています。コインベース側は「恣意的で気まぐれ」と批判し、訴訟の棄却を求めてきました。

その結果、2024年11月21日、米テキサス州北部地区連邦地方裁判所は、SECがコインベースに提起した訴訟において、SECの敗訴を確定。同裁判所は、SECが仮想通貨取引所に対する規制を制定する際に法的権限を逸脱したと判断しました。この判決は、仮想通貨業界全体にとって大きな勝利と言えます。

そのSECを指揮してきたのがSECのゲンスラー委員長。同委員長はトランプ大統領の勝利が確定した後に退任を表明しており、トランプ氏も「解任」を宣言しています。トランプ新政権ではSECのトップを交代させて、仮想通貨を擁護する人物をトップに据えて規制緩和を進める見通しです。その動きを先読みし、仮想通貨の価格も急騰しました。

B)DOGE(政府効率化省:Department of Government Efficiency)

DOGE(政府効率化省).png

(出所:政府効率化省のXアカウント

2024年11月12日、トランプ次期大統領は、イーロン・マスク氏とビベック・ラマスワミ氏がDOGE(政府効率化省:Department of Government Efficiency)を率いる旨を表明しました。声明の中で「この素晴らしい2人のアメリカ人が力を合わせて、新政権が官僚主義を解体し、過剰な規制を切り裂き、無駄な支出を削減する道を切り拓くだろう」と述べています。

ラマスワミ氏はバイオテクノロジー企業の創業者。2024年の米大統領選に共和党から出馬し、予備選挙の途中で撤退を表明し、トランプ支持を表明した人物です。マスク氏とラマスワミ氏は共に優れた実業家であり、前例のない規模のコスト削減に取り組みます。

イーロン・マスク氏は選挙期間中に、政府予算の約3分のⅠに相当する少なくとも2兆ドル(約300兆円)のコスト削減が可能だと言及しています。かねてから巨額の政府支出を問題視し、2024年10月18日のX(旧Twitter)では「過度な政府支出がアメリカを破産へかき立てている!」と投稿。たしかに米国の負債が過去最大の35兆ドルに膨れ上がっているのは問題ですね。

GOVT spending.png

(出所:イーロン・マスク氏のX投稿

ところで、DOGEの文字を見て、驚いた方も多いでしょう。そうです、仮想通貨ドージコイン(DOGE)と同じ名称です。それもそのはず、名付けの親はイーロン・マスク氏。

2兆ドルの政府支出を削減するには、諸々の利権との闘いが不可避です。そのたびにDOGE(政府効率化省)やマスク氏らの名が報道され、仮想通貨DOGEなどにも恩恵が及ぶと予想されます。

キーパーソンの紹介

このパートではトランプ新政権のキーパーソンをご紹介します。

A)ドナルド・J・トランプ第47代米国大統領

X_Trump.png

(出所:トランプ氏の公式Xアカウント

トップバッターは、ドナルド・ジョン・トランプ大統領(Donald John Trump)。言わずと知れた主人公です。ニューヨークで生まれ、不動産業で財を成した父親に「おまえは王様にならんだ」と言われ、育ったとのこと。政治の世界で頂点に上り詰めましたね。

不動産業をはじめ、ホテルやカジノなどを営み、約65億ドル(約1兆円)の資産を有しています(出所:Bloomberg)。1兆円ですか!桁違いですね。

トランプ氏は注目されることが大好き。大統領選出馬の直前まで人気テレビ番組『アプレンティス(実習生)』の司会を10年ほど務めました。結婚は3回。5人の子供を授かっています。

意外かもしれませんが、トランプ氏は飲酒も喫煙も一切しません。アルコール依存症で苦しみ、40代で亡くなった兄が理由です。メディアでの傍若無人な振る舞いとのギャップに驚いた方も多いのではないでしょうか。実のところ、「彼がどのような人物なのか」は私たちにはわからないのが実情でしょう。

2024年7月13日の選挙演説中には銃撃を受け、右耳を負傷しています。あと数センチずれていれば、頭部や首にあたり、命に関わる重大な負傷を追っていた可能性があります。まさに「九死に一生を得る」。アメリカ人をはじめ、多くの人が「彼は特別な何かを持っている」と感じたようです。少なくとも、1兆円は持っています。

トランプ氏は自身のメディア企業を通じて、仮想通貨(暗号資産)市場への進出を前向きに検討中。SNSプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」の親会社トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(Trump Media and Technology Group:TMTG)がバックト(Bakkt)買収に向けて、協議を進めています(出所:Financial Times)。

2025年1月20日、トランプ氏は第47代米国大統領に就任します。仮想通貨市場に参入するトランプ氏が仮想通貨の価格上昇に寄与する政策を推進するのは、当然の話です。仮想通貨市場は株式市場などの影響を大きく受けるため、「規制緩和=価格上昇」が常に成り立つわけではありません。とはいえ、トランプ氏の在任中に仮想通貨の価格がどこまで伸びるのか、楽しみですね。

B)イーロン・マスク(Elon Musk:米テスラ社CEO)

X_Elon endorse Trump.png

(出所:イーロン・マスク氏のX投稿

米テスラ社の創業者イーロン・マスクCEOもトランプ新政権の重要人物です。トランプ氏返り咲きの立役者と言っても過言ではないでしょう。マスク氏からの献金額は1億8,000万ドル(約280億円)に及び、トランプ氏の「相棒」として資金面やメディア面で支えてきました。なお、マスク氏の純資産は3,000億ドル超(45兆円超)とも報道されています(出所:Bloomberg)。「政治と金」は世界共通なのですね(大きな課題でもあります)。

マスク氏はトランプ氏の銃撃事件直後にトランプ支持を表明しました。具体的には、トランプ氏が2024年7月13日(米国時間)にペンシルベニア州での戦況集会中に銃撃された約30分後、X(旧Twitter)で「私はトランプ大統領を完全に支持する。彼の早期回復を祈っている」と投稿しました。電光石火の早業です。

イーロン・マスク氏のTwitter(ツイッター)買収劇は耳目を集めました。2022年10月にTwitterを約440億ドル(約6.6兆円)で買収。買収後には名称が「X」へ変更しました。「Twitterのままにしてほしかった」と未だに思っている方も多いのでは。買収の目的は、世界中の言論の自由のためのプラットフォームにすること。SNSは影響力が大きいだけに、各国で議論が活発に行われています。日本でも、兵庫県知事選などでSNSと選挙のあり方が議論されていますね。

奇しくも、トランプ大統領は2021年1月8日(Twitter時代)に、連邦議会議事堂での暴動をきっかけにアカウントを永久凍結された過去があります。その後、マスク氏がTwitterを買収し、2022年11月19日に解除。両者の関係は選挙期間を通じたものではなく、もっと昔から育まれていました。

トランプ大統領の勝利後は、ウクライナのゼレンスキー大統領やトルコのエルドアン大統領との電話協議にも同席。高官人事への介入も報道されており、影響力大の人物です。マスク氏は中国の習近平国家主席やロシアのプーチン大統領とも個人的な人脈を形成しており、世界政治にも彼の見解が影響を与えそうです。

ただし、イーロン・マスク氏は選挙で選ばれた人物ではありません。民主的なプロセスを経ずに要職に就いた人物が大鉈(おおなた)を振るえば、相応の反発は必至。トランプ大統領の支持率次第ではありますが、規制緩和がとん挫する恐れもあります。過度な期待は仮想通貨取引にマイナスの影響を及ぼしかねません。その点は注意しましょう。

Bybit(バイビット)で仮想通貨を購入する

2. トランプ新政権で主要通貨はどうなる?(BTC/ETH/SOL/USDT/DOGE別)

pixta_87887581_XL.jpg

A)ビットコイン(BTC):「仮想通貨の王者」時価総額300兆円を突破

<ビットコイン価格(BTC)>

BTC価格.png

(出所:CoinMarketCap、2024年11月下旬)

上図はビットコインの価格チャートです。2024年に入って以降、快進撃が続いています。2024年1月にはビットコイン現物ETFがSEC(米国証券取引委員会)で承認されて、投資対象として一定の信認を獲得しました。

証券口座で自由に売買できる現物ETFを資産運用会社などが買い進めるとの思惑から、年初から一気に浮上。当時の背景については「ビットコイン現物ETFの仕組みを徹底解説|Bybitでビットコインを賢く買う方法」をご覧ください。

2024年中盤には落ち着きましたが、トランプ大統領の勝利を受けて急騰。仮想通貨市場には数万種類の通貨があり、その合計時価総額は520兆円ほど。その中でビットコインは300兆円に達しており、単独で過半を占めています(2024年11月下旬時点)。

「こんなに急騰したら、今からでは遅いのでは?」

そうとは限りません。下記のレインボーチャートをご覧ください。レインボーチャートとは、長期のBTC価格推移とその上限/下限を示しています。「Halving」は4年に一度の半減期です。

BTC Rainbow chart.png

(出所:レインボーチャート、2024年11月下旬)

レインボーチャートどおりに事が全て運べば誰も苦労しませんが、過去の実績は未来を占う鍵となります。現状、BTC価格は中央のHODL(ガチホ)ゾーンに位置しています。直近で急騰したとはいえ、まだ適正な価格水準にあるとも言えます。

どのようにBTC保有高を管理するかは、各人の運用方針によります。ハイリスク・ハイリターンを狙うのなら、迷わずガチホです。一方、リスクを抑えたい場合、足元の急騰でビットコインが運用ポートフォリオに占める割合が増えた点も加味して、一部利確するのも一案でしょう。なお、BTC価格がレインボーチャートどおりに推移する保証は一切ありませんので、ご注意ください。

なお、米国では政府がビットコインを保有する「ビットコイン準備金」法案も注目を集めています。5年間でビットコイン供給量の5%に相当する合計100万BTCを購入し、少なくとも20年間保有する趣旨です。法案成立には超党派の合意が基本的に必要なので実現性は多少乏しいですが、ビットコイン(BTC)が仮想通貨の王者として認知されている事情がうかがえます。

足元のビットコイン急騰は、トランプ政権の政策を織り込んだ結果とも考えられます。そのため、一時的な揺れ戻しの可能性も意識しながら、ビットコイン投資を楽しみたいですね。例えば、積立投資/自動投資でコツコツ増やしながら、ステーキングでAPR(年換算利回り)を手堅く獲得するのも一案です。

ビットコインの購入方法については、Bybit記事「仮想通貨(暗号資産)|Bybit(バイビット)でビットコインを買う方法」も参考にしてください。

B)イーサリアム(ETH):DeFiや現物ETFが追い風に

<イーサリアム価格(ETH)>

ETH価格.png

(出所:CoinMarketCap、2024年11月下旬)

2015年の取引開始以来、イーサリアム価格は浮き沈みを経験しながら上昇し続けてきました。2024年5月23日に米SECがイーサリアム現物ETFを承認したことで、直後に史上最高値を付けました(上図の丸で囲った価格)が、その後は弱含んでいます。その主な理由は、ソラナ(SOL)SUI(SUI)などといった高速処理やエコシステムに優れたイーサリアムキラーの台頭です。

ところが、トランプ大統領の勝利をきっかけに上昇に転じています。そのほか、2024年10月下旬にはイーサリアムの生みの親ヴィタリック・ブテリン氏が1秒間に10万件以上のトランザクション(TPS)を目指す「ザ・スプラージ(The Splurge)」構想を自身のブログで披露し、期待が高まっています。イーサリアムの現行TPSは15~25程度なので規格外の改良ですね。レイヤー2を活用して大幅な機能向上を図ります。

TVL_ETH.png

(出所:DefiLlama、2024年11月中旬時点)

トランプ新政権での規制緩和を受けて、DeFi(分散型金融)NFT(非代替性トークン)市場が活性化する見通しです。上図は各仮想通貨のTVL(Total Value Locked:預かり資産)を示しています。TVLとは、特定のブロックチェーン上にあるDeFiアプリケーションに投資されている資産の総額を指します。ユーザーがそのプラットフォーム上で資金を「ロック」している金額の合計です。言い換えれば、どれだけの金額が各ブロックチェーン上で利用されているかを示しています。

現状、イーサリアムの一人勝ち状態です。2021年の中頃にはイーサリアムの手数料が70ドル付近まで急騰し、代わりのブロックチェーン基盤を求める声が強まりました。その影響でソラナ(SOL)なども徐々に市場シェアを伸ばしていますが、イーサリアム基盤の存在感は色褪せていません。今後もイーサリアム基盤の上でDeFiやNFT市場が花開き、イーサリアム価格にも追い風が吹く見通しです。イーサリアム全般については「Bybit(バイビット)|イーサリアム現物ETFを詳しく解説:今後の価格見通しは?」をご覧ください。

C)ソラナ(SOL):トランプ新政権の発足で現物ETFの承認が近づいた?

<ソラナ価格(SOL)>

SOL価格.png

(出所:CoinMarketCap、2024年11月下旬)

ソラナのデビューは比較的新しく、2020年3月にメインネットがローンチされました。メインネットとは、ブロックチェーン上で実際の取引を行うための主要ネットワークを指します。2021年にはコロナ渦での金融緩和策を背景に株式市場が盛り上がり、その恩恵を受けてSOL価格も大幅に上昇しました。

しかし、2021年の終わり頃から状況は一変。米FRBなどの中央銀行が物価高を懸念してインフレ対策を打ち出し、金融引き締めに転じます。その影響で株式市場や仮想通貨市場も冷え込み始めました。2022年11月の大手仮想通貨取引FTXの破綻(ソラナ技術基盤を利用していた)や2022年のSolanaネットワークへのセキュリティ攻撃も相まって、SOL価格も低迷しました。

2024年以降はレンジ相場を行ったり来たりしていましたが、トランプ大統領の勝利を受けて史上最高値を更新しています。

「ビットコインやイーサリアムのことは知ってるけど、ソラナのことはあまり知らない」

このような方も多いのではないでしょうか。ご安心ください。「Bybit(バイビット)|仮想通貨ソラナ(SOL)の基礎知識:特徴や将来性を徹底解説」でソラナの基礎知識をまとめています。

ソラナの時価総額は約18兆円に達し、時価総額ランキングでも4位に位置しています。ソラナのエコシステムは高速処理を背景に他分野で活用されています。イーサリアム基盤が市場の過半を占めているとはいえ、DeFiやNFT市場でも市場シェアが拡大中です。

もし次に米SECが現物ETFを承認するとしたら、ソラナ(SOL)が時価総額やエコシステムの面で有力候補になると考えられます。ビットコインやイーサリアムと同様に、現物ETFの承認は機関投資家などの買い注文につながり、価格上昇の好材料となります。足元では急騰しているため、一時的な揺れ戻しも予想されますが、今後の展開が期待される有力銘柄です。

D)テザー(USDT):米国からの捜査が弱まる

<テザー価格(USDT)>

USDT価格.png

(出所:CoinMarketCap、2024年11月下旬)

テザー(USDT)はステーブルコインであり、BTCETHSOLとは視点が異なります。ステーブルコイン(stablecoin)とは、法定通貨(例:米ドル)など、特定の資産価格に連動して価格が推移するように設計されています。テザー(USDT)は、1 USDT = 1 USDを想定して設計されています。そのため、上記チャートもドル建てで示しています。

端的に申し上げると、トランプ政権の発足がテザー価格に与える影響はほぼゼロです。その理由は、既に米ドルとの間で極めて高い連動性を発揮しているからです。テザーは100%全てのテザートークンに対して、1対1の割合で法定通貨「米ドル」の裏付け資産を保有し、管理する準備金の状況を毎日公表しています。世界最高峰の信用格付けAAAを誇る「米ドル」を安定保有し、その利回りで盤石な基盤を築いています。

先ほど、「トランプ政権がテザー価格に与える影響はほぼゼロ」と申しましたが、テザーの運営にはポジティブな影響が予想されます。テザーを管理するテザー社を巡っては、制裁措置やマネーロンダリング防止規則違反の疑いで捜査されていると度々報じられています。

実は、米国の選挙期間中にテザー社はトランプ陣営を間接的に応援していました。具体的に、テザー社は債券大手キャンターフィッツジェラルド社に裏付け資産である米国債の運用を委託しており、同社CEOのハワード・ルトニック氏は大統領選中に、トランプ陣営を熱心に応援し、トランプ新政権では商務長官を務めます。トランプ政権の発足に伴って、テザー社への捜査が弱まることが予想されます。なお、捜査の有無とは関係なく、テザー社は毎日運用状況を公開しており、100%の透明性を確保できるように説明責任を果たしています。

Bybitをはじめ、海外の仮想通貨取引所ではUSDT建ての取引が活発に行われており、テザーの時価総額も3位に輝いています。投資家がテザーの透明性を評価している証ではないでしょうか。

テザーについては「USDT(テザー)とは?|Bybitの仮想通貨(暗号資産)取引で大活躍の基軸通貨」もご覧ください。資産の管理状況を詳細に分析しています。

E)ドージコイン(DOGE):イーロン・マスク氏の多大な影響力

<ドージコイン価格(DOGE)>

DOGE価格.png

(出所:CoinMarketCap、2024年11月下旬)

ドージコインの価格がトランプ氏の勝利を受けて急騰しています。今まで時価総額ランキングで10位内に入ったことはなかったのですが、記事執筆時点では約10兆円で7位に輝いています。

ドージコインと言えば、イーロン・マスク氏。トランプ新政権では、規制緩和の代表格とされるDOGE(政府効率化省)を率います。下記投稿の「@DOGE」は政府効率化省のアカウントです。

DOGE potential.png

(出所:イーロン・マスク氏のX投稿

足元でドージコイン価格は60円台へ急騰(2024年11月下旬)。半月で2倍以上に跳ね上がりました。1 DOGEが一桁円で、いつかは1 DOGE = 1 USDを目指すと言っていた数年前が懐かしいです。

正直な所、ドージコインの価格予想は不可能に近いです。ビットコインのような価値保存機能があるわけでもなく、イーサリアムやソラナのような優れたプラットフォーム基盤とも言いがたいです。何の根拠もない話で恐縮ですが、いつの日か「1 DOGE = 1 USD」が実現するのではないか、と予想する方も一定数おられるはず。その暁には、今の価格の2倍以上に上昇しますね。

なお、柴犬コインはドージコインとよく引き合いに出されています。柴犬コインの方は強固なプラットフォーム基盤が存在し、拡大中です。両通貨については「Bybit(バイビット)|ドージコインと柴犬コインの違い 買うならどっち?」をご覧ください。

3. まとめ

本記事では、トランプ新政権の発足で予想される規制緩和や重要人事に触れながら、主要な仮想通貨(BTCETHSOLUSDTDOGE)に及ぼす影響について説明しました。

トランプ新政権の発足は、2025年1月20日。そこからの4年間で仮想通貨(暗号資産)に好意的な政策が徐々に打ち出されていくと期待されています。その影響を先読みして、ビットコインの時価総額は既に300兆円を突破しています。

トランプ氏の言動や考え方は一般人の予想を超えており、正確に予想することは不可能ですが、大統領選中には仮想通貨業界から200億円以上の支援を受けています。そして、イーロン・マスク氏の重用、ドージコインと同名のDOGE(政府効率化省)の新設など、仮想通貨市場に大きな追い風が吹いているのは確かです。今後の展開に期待が持てそうですね。

Bybit(バイビット)で仮想通貨を購入する