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ETPとETFの比較:上場取引型金融商品の違い

中級者向け
投資
22 лют 2024 р.

投資ポートフォリオに、上場投資商品(ETP)と上場投資信託(ETF)のどちらを組み込むか迷っていませんか?概して、ETFはETPの一種であり、株式取引のようにリアルタイムの価格で取引できる柔軟性を有する、流動性の高い資産クラスです。この記事では、ETPとETFの違いや構造、さまざまな投資戦略における扱い方を中心に説明します。

この記事のポイント

  • ETPとETFは、異なる構造、規制、流動性を有する上場取引型金融商品です。ETFはETPの一種で、日中流動性などの際立った特徴があり、取引が柔軟でコストが低いため人気が高いことが多いです。

  • ETPには、ETF、ETN、ETMF、ETCなどさまざまな種類があり、それぞれが異なる資産クラスに応じた特有のリスクや構造を有します。通常、ETFは分散性が高く、1940年投資会社法に基づく投資家保護によって規制されています。

  • 投資家は、ETPとETFのどちらかに決める際、コスト、リスク許容度、希望する市場エクスポージャーなどの要素を検討する必要があります。ETFは通常、低リスク・低コストを求める投資家に人気で、レバレッジ商品またはインバース商品などのETPは、高リスク戦略を好む投資家に人気です。

ETPとETFを理解する

ETPとETFは、オンライン投資プラットフォームにおける主要な商品として登場しました。この記事では、この2種類の金融商品について以下のように分析します。

ETPに関する基本情報:

  • ETPは、証券取引所で取引される投資ファンドです。

  • 金融商品として、ETPは対象指標、コモディティ、または資産に連動します。

  • これによって、幅広い資産クラスの取引や利用が便利になります。

ETPの一種であるETFには、ミューチュアルファンドとは異なり、次のような際立った特徴があります。

  • 取引所で株式のように取引可能

  • プール型の投資構造を有し、ミューチュアルファンドに類似

  • 日中流動性とリアルタイムの価格情報を提供

以上の特徴により、ETFは投資家に人気となっています。

投資家は、流動性が高いことを理由にETFに資金を振り向けることを検討します。ETFは、株式と同じようにその日を通じて取引でき、他の金融商品ではなかなか得られない柔軟性を投資家に提供します。

ETPとは?

ETP(上場投資商品)には、以下のような幅広い投資商品が含まれます。

  • 上場投資信託(ETF)

  • 上場投資証券(ETN)

  • 上場投資合同運用信託(ETMF)

  • コモディティ上場投資信託(ETC)

各カテゴリのETPは、異なる資産クラスや投資戦略に応じた、際立った特徴と構造を持っています。投資家は、ポートフォリオを分散化させる便利なツールとしてETPを利用できます。ETPの各種金融商品は、幅広い投資方法をシンプルな形で提供します。

たとえばETNは、発行体の財政の安定に関連する信用リスクなどのさまざまなリスクをはらみます。また、発行体がETNを回収した場合に損失を被る可能性のある、繰上償還リスクもあります。ただし、ETNのリターンは通常、対象指標やベンチマーク(手数料控除後)のパフォーマンスに連動します。つまり、ETNを利用する投資家は、指標に対するエクスポージャーを取り、魅力的なリターンを得られる可能性があります。

ETFとは?

ETF(上場投資信託)は通常、株式や債券などの投資対象の対象指標を反映した分散投資ポートフォリオを有します。投資家は、株式の取引プロセスと同じように、取引所でETFの株式を売買します。ETFには、以下のようなさまざまな投資対象があります。

  • 株式

  • コモディティ

  • 債券

  • 仮想通貨

  • 以上の組み合わせ

ETFは、投資家に分散化と柔軟性を提供します。パッシブ運用のETFは、指標やセクターのパフォーマンスを複製するよう設計されており、費用対効果と透明性が高いのが特徴です。

ETFには、ミューチュアルファンドに比べ、以下のようなメリットがあります。

  • 取引時間中に証券取引所で取引され、日中流動性を投資家に提供

  • 価格に大きな影響を与えることなく取引可能

  • アクティブ運用またはパッシブ運用が可能で、それぞれのアプローチによって経費率が異なる

  • 取引日の終了時に約定されるミューチュアルファンド取引とは異なり、取引日を通じて売買可能

ETPとETFの比較

ETPとETFについて個別に掘り下げましたが、以下ではこれらの比較を行います。ETPとETFはどちらも上場取引型金融商品で、投資家はさまざまな資産クラスに対するエクスポージャーを取れますが、その構造、規制、取引の特徴は異なります。ETPは、株式の取引と似た方法により取引所で取引され、株式を通じてコモディティに対するエクスポージャーを取るコモディティ上場投資信託(ETC)を含む場合があります。一方で、ETFは、対象指標に連動する有価証券の集合体であり、株式や債券などの投資対象を含む場合があります。

流動性については、通常ETFはETPに比べ優れた特徴を有し、投資家にとってより好ましく都合のよい商品となります。以上に加え、取引の柔軟性、ポートフォリオの分散化、リスク管理、低コスト、税制優遇により、ETFはETPに比べて人気があります。

構造および規制

ETPの過半数はETFとして組成されており、構造と規制の面において、1940年投資会社法に基づく投資会社として米国証券取引委員会(SEC)に登録され、規制されています。これにより、投資家にある程度の監視と透明性がもたらされます。ETFは通常、その投資対象を株式、債券、債務証券に集中させており、分散要件の対象となっています。ETFは証券取引所で取引され、投資家に流動性と柔軟性をもたらします。

ただし、ETFと、ETNなどの他のETPでは、規制監督が異なります。ETFは、1940年投資会社法の規制を遵守する必要があり、取締役会や金融取引業規制機構(FINRA)等による厳しい監督の対象となります。

一方でETNは、取締役会の監督を要せず、規制上の枠組みはETFと比べて緩いと言えます。

取引および流動性

ETPとETFはどちらも証券取引所で取引されますが、通常、ETFは流動性が高く、売値と買値のスプレッドが狭くなります。ETPに比べてETFの流動性が高いのは、それぞれのETFを構成する有価証券の組成や取引高、さらに取引高と投資環境に主に影響されています。

売値と買値のスプレッドは、ETPとETFで異なる場合があります。ただし、ETFは個別株と同じように取引されるため、スプレッドがより適切となります。人気が高く、取引高の高いETFは、多くの場合売値と買値のスプレッドが狭くなりますが、人気の低いETFや流動性の低い原証券の場合、スプレッドが広くなります。

分散化とリスク管理

ETFとETPでは、分散化とリスク管理が可能です。ただし、分散化の程度は特定の商品およびその原資産に左右されます。

たとえば、ETCではコモディティを取引しますが、iシェアーズ・コアETFなどのETFでは、投資家は長期目標に向けてさまざまな投資対象を含むポートフォリオを構築できます。ETFは幅広い原資産に連動するため、特定の業種やコモディティに対象を絞った一定のETPに比べ、より広範な分散投資ができます。

ETFおよびETPにおいて分散化ができないと、特定のセクターに対するエクスポージャーが高まるため、そのセクターのパフォーマンスが悪化した際に損失を被る場合があります。また、レバレッジ型ETFまたはインバース型ETFは毎日リセットされるため、税制面で不利となる可能性があり、損益が課税対象となる場合があります。

ETPとETFの種類

パッシブ運用またはアクティブ運用、特定のセクターや業種への特化、レバレッジ型商品やインバース型商品など、さまざまな投資戦略に合わせて多種多様な投資方法を選べます。パッシブETFは、指標またはセクターのパフォーマンスを複製するよう設計されています。費用対効果や透明性が高いといったメリットがあり、パッシブ投資を好む投資家に人気が高くなっています。

一方でアクティブETFは、基準指数を超えることを目標にして経験豊富な専門家が運用を行っています。パッシブETFと対照的に、アクティブETFはさまざまな投資戦略を活用しており、市況に応じてポートフォリオ配分を調整できます。

パッシブ型とアクティブ型の比較

ETPとETFにおいて、パッシブ戦略とアクティブ戦略では、投資アプローチがはっきりと異なります。

パッシブETPとETF:

  • 対象指標に連動

  • 通常、アクティブ型と比べて費用が安く、節税効果が高い

  • 低コストで幅広い投資対象に対するエクスポージャーを取ることが可能

一方、アクティブETPとETFには、以下のような特徴があります。

  • ポートフォリオマネージャーが投資決定を行う。

  • 市場でのパフォーマンスを上げることで高いリターンを狙うが、同時にリスクと費用が高くなる。

  • アクティブETPとETFのパフォーマンスは、ポートフォリオマネージャーの能力や専門知識、さらに市場流動性、取引高、投資環境の幅広さなどの外部要因に影響される。

セクターおよび業種への特化

ETFとETPは、特定の市場セグメントに絞った投資機会を提供しており、セクターと業種に大別される場合があります。セクターと業種という用語は同じ意味で用いられることが多いですが、以下のようにわずかな違いがあります。

  • セクターETF:セクターETFは、さまざまな業種を含む、経済の幅広いカテゴリに特化しています。たとえば、セクターETFは、銀行、保険、不動産業界などの金融セクターを対象とする場合があります。セクターETFでは単一の経済セクター内のさまざまな業種に投資でき、そのセクターに対するエクスポージャーを分散できます。

  • 業種別ETF:一方で、業種別ETFは、セクター内の特定の業種に集中します。このETFでは、たとえば情報通信セクター内の技術業界などの特定の業種に集中して投資します。業種別ETFでは、投資家はある業種内の特定のトレンドに的を絞ったり、リスクをヘッジしたりできます。

ETFだけでなく、ETPのなかにも、セクターまたは業種に特化した投資機会を提供しているものはあります。ただし、ETFと他のETPの違いを認識しておくことが重要です。

ETFは証券取引所で取引される投資ファンドで、多くの場合、指標、コモディティ、資産バスケットに連動するよう設計されています。すでにご説明したとおり、特定のセクターまたは業種を対象とする場合があります。

ETNやETCなどの他のETPでも、異なる市場セグメントに対するエクスポージャーを取れますが、その構造、リスク、規制の枠組みは異なる場合があります。たとえば、ETNは金融機関が発行する債務証券で、そのパフォーマンスは特定の市場指標または戦略と結びついていますが、ETCはコモディティに特化しています。

レバレッジ型およびインバース型

レバレッジ型およびインバース型のETPとETFは、独自の投資アプローチを提供します。レバレッジ型ETPは、デリバティブを採用することで、対象指標または資産クラスのパフォーマンス拡大を目指します。パフォーマンスの拡大は、レバレッジを活用することで達成され、リターンの増加とともにリスクが高まる可能性があります。一方で、インバース型ETPは、特定のベンチマークまたは指標のパフォーマンスに逆相関することでリターンの達成を目指す金融商品です。たとえば、対象指標が1%下落した場合、その指標と逆の値動きをするよう設計されたインバース型ETPは、1%(手数料および費用控除前)の上昇を目指します。

これらの商品は、高いリターンを求め、ヘッジ戦略を活用したい熟練した投資家に向いています。ただし、レバレッジ型およびインバース型のETPへの投資には、特に変動の激しい市場において固有のリスクを伴います。時とともに、対象指標やベンチマークのパフォーマンスからリターンが大幅に乖離する可能性があります。

コストおよび手数料

すべての投資ビークルと同じように、ETPとETFのどちらもコストおよび手数料がかかります。経費率と呼ばれるこれらの手数料は、ファンドの種類によって異なります。平均してETFの経費率は、特定の市場指数に連動するインデックスETFの場合、約0.16%です。これと比較して、ETFとミューチュアルファンドの両方を含む幅広い業界平均は、約0.47%と高い傾向があります。経費率は、運営コストやポートフォリオ管理費などのファンドの運営費用をカバーします。

経費率とは別に、投資家はETPやETFの取引に関して委託手数料を支払う場合もあります。ミューチュアルファンドに比べ、通常ETFに投資する場合手数料が安くなることは注目に値します。ただし、コストを最小限に抑えるために、投資家はアクティブ運用を行うファンドに比べて経費率の低いインデックスファンドを選ぶこともできます。

また、投資家はETFの売買に関連する費用を評価し、選んだETFの透明な手数料と隠れた手数料の両方に気をつけるべきです。

ETPとETFのどちらを選ぶべきか?

ETPとETFのどちらを選択するかは、お客様の投資目標、リスク許容度、希望するエクスポージャーによって大きく変わります。投資目標は、連動する原資産またはベンチマークを決定するため、ETPとETFの間の選択に大きな影響を与えます。

リスク許容度も重要な要因となります。ETFは通常、分散性を有し、低コストのためリスクが低く、低リスクを好む投資家にとってより魅力的です。一方で、レバレッジ型商品またはインバース型商品などの特定のETPはリスクが高いため、一般的に高いリスクレベルを許容できる投資家により適しています。

ETPとETFの選択において、希望するエクスポージャーも重要な要因となります。これは、さまざまな市況で投資家のポートフォリオがどのようなパフォーマンスを発揮するかに大きく影響します。

ETPとETFのメリットとデメリット

ETPとETFにはそれぞれ異なるメリットとデメリットがありますが、それらを正確に区別することが重要です。ETPの一種であるETFには、通常、分散化、流動性、税制優遇などのメリットがあります。また、株式取引のように、投資の選択肢が幅広く、取引が容易なことで知られています。ただし、ETFの種類によっては、アクティブ運用または特殊な投資戦略により、追加費用がかかる場合があります。

一方、ETNやETCなどの他の種類のETPは、コスト構造やリスクが異なる場合があります。これらも分散化されており、税制優遇がある場合もありますが、その取引コストと経費率は特定の構造や連動する原資産に基づき大きく異なります。たとえば、ETNは運営コストが低い一方で、信用リスクが生じます。一方、ETCはコモディティを対象とし、独自の保管コストや取扱手数料が生じる場合があります。

変動の激しい期間における市場の安定性への影響は、ETFと他のETPどちらの場合も、その組成や対象とする市場セグメントによっては懸念事項となる可能性がある旨留意することが重要です。

ETPとETFの実例

以上の知識に対する理解をさらに深めていただくため、いくつかの実例をご紹介します。

SPDR® S&P 500® ETFトラスト(SPY)は、ETFのパイオニアとして認められています。1993年1月22日に設立され、市場最大のETFとしての地位を有しています。SPYは、S&P 500®指数を複製するよう組成され、米国株式市場で最も著名かつ安定した500社に投資できます。

最近、ビットコイン現物ETF承認され、世界最大の仮想通貨であるビットコインのパフォーマンスに対するエクスポージャーを取れるようになりました。これらの革新的なETFは、ETPとETFの世界でさまざまな投資の選択肢が利用可能となったことを示します。

潜在リスクと利益

すべての投資と同じように、ETPとETFのどちらにも潜在的なリスクと利益が伴います。市場リスクとは、市場のボラティリティや変動、さまざまな社会経済的リスクや政治リスクにより、ETPにとって不利な値動きとなる可能性を指します。ETPは、コモディティや債券など、投資する資産に関するリスクが伴います。こうしたリスクは原資産に内在し、ETPのパフォーマンスに影響する場合があります。

上場投資証券を発行する金融機関が倒産などの資金難に陥った場合、その金融機関が支払義務を履行できず、ETNを保有する投資家の投資対象の純資産が大幅に毀損したり、価値がなくなったりする可能性があることには注意が必要です。

こういったリスクを踏まえたうえでも、潜在的な利益には大きいものがあります。ETNのリターンは通常、対象指標またはベンチマーク(手数料控除後)のパフォーマンスに連動しており、魅力的なリターンを提供する可能性があります。

まとめ

ETPとETFのどちらも、投資ポートフォリオを分散化する方法として効果的であり、それぞれが独自の構造上、規制上、取引上の特徴を有します。ETPの一種であるETFは通常、その流動性と低コスト商品の選択肢が幅広いこと(特にインデックス連動型パッシブETFの場合)で人気があります。

ただし、ETNやETCなどの商品を含むETPはカテゴリが幅広く、さまざまな構造の商品を提供し、異なるコスト上の問題やリスクプロファイルといった特定の投資ニーズに応えられる可能性があります。ETPとETFのどちらかに決める際は、ご自身の投資目標、リスク許容度、希望する特定の市場エクスポージャーを十分に理解し、ご自身の全体的な投資戦略にしっかりと沿った選択をすることが重要です。