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DeFiにおけるイールドファーミングとは?仕組みと機能を徹底解説

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Feb 26, 2021

わずか10年足らずの間に、暗号資産(仮想通貨)の世界は革新的な変貌を遂げました。分散型金融(DeFi)の台頭に伴い、イールドファーミングは現在の仮想通貨市場を支える主要プロダクトの一つとなりつつあります。TVL(Total Value Locked: DeFiに預け入れられロックされた仮想通貨の価値の合計)は総額40億ドルに達することからも、DeFiエコシステムの将来には未だ成長の余地があります。DeFiや仮想通貨はボラティリティが高いという特徴を持つ反面、今まで以上により身近な存在として注目を集めています。

DeFiは、仲介者や管理者など、中央集権的なシステムを前提とした従来の金融システムを覆す画期的な概念です。DeFiのブロックチェーン技術を活用すれば、その透明性の高いプロトコルによって、仮想通貨の複雑な運用や取引、送金も可能となります。今後も、さらに多様なDeFiプロダクトが市場に登場することでしょう。

ここでは、そんなDeFiにおけるイールドファーミングの仕組み、用途、収益性、リスクなど、イールドファーミングの基本を読み解いていきましょう。

Liquidity-Mining

イールドファーミングとは何か?

イールドファーミングは、DeFiにERC-20トークンやステーブルコインなどを預けて流動性を提供し、その見返りとして報酬を受け取るシステムを指します。このように流動性の対価としての金利に加え、新たなトークンを獲得できる「流動性マイニング」のサービスによって、イールドファーミングに対する需要は高まっています。

イールドファーミングはステーキングの概念に似ていますが、イールドファーミングのメカニズムはより複雑です。「ステーキング」は、対象となる仮想通貨を保有することでブロックチェーンネットワークに参加することができ、その見返りとして利回りを獲得できる仕組みを指します。一方で「イールドファーミング」は、DeFi取引所に仮想通貨やトークンを預け入れることで、金利を得る仕組みです。

イールドファーミングの参加者は「イールドファーマー」と呼ばれます。彼らは流動性を提供するために、資金を預入れ用のレンディングプロトコル(コンパウンド・ファイナンスMakerDAOなど)にロックする必要があり、そのプロセスの中で利益を得ることができるのです。例えば、イールドファーマーが1,000USDTをコンパウンドに預けると、イールドファーマーはcUSDTトークンと引き換えにトークンを受け取ることができます。これらのトークンはその後、自動マーケットメーカー(AMM)の流動性プールにcUSDTとして投入され、そこから発生する取引手数料を獲得することができます。つまり、イールドファーマーは「コンパウンド」と「流動性プール」で、それぞれ報酬を手に入れることができるということです。

イールドファーミングはどのように始まったのか?

2020年の夏、DeFiコンパウンド(COMP)とAaveの登場により、イールドファーミングは一躍ブームを巻き起こしました。COMPガバナンストークンの発行が軌道に乗ったことを皮切りに、BalancerやKyber、Tenders、SushiSwapなど多くのイールドファーミングAMMが台頭し、その成長と地位は揺るぎないものになりました。今やイールドファーミングは、DeFi業界で最も人気のあるトレンドの一つです。イーサリアム(ETH)をはじめとする仮想通貨や、ダイ(DAI)のようなステーブルコインを使用することもできますが、AMMプラットフォームではUSDTトークンがより一般的です。

イールドファーミングが人気を博している背景にはさまざまな理由が考えられますが、その最たるものとして、高金利のDeFiに保有資産を預け入れるだけで、お金を稼ぐことができるという手軽さとユニークさが挙げられます。流動性供給の対価として、貸し手のみならず借り手も、インセンティブとしてガバナンストークンを受け取ることができます。

イールドファーミングの機能

イールドファーミングはそれ単体で独立したメカニズムではありません。通常、そのエコシステムを維持するために、流動性プールを提供する自動マーケットメイカー(AMM)との連携や、プールに資金を投入してくれる流動性プロバイダー(LP)の参加が必要不可欠となります。LPはステーキングの概念に似て、ブロックチェーンネットワークでの取引を促進することで報酬を得ることができます。

このことからも、高い流動性を維持するためにLPとAMMが重要な役割を担っていることがおわかりいただけるでしょう。さらに、流動性はより多くの流動性を引き寄せる傾向があります。

AMMのコンセプトは、シンプルでありながら同時に複雑でもあります。LPが流動性プールに資金を提供することで、イールドファーマーはトークンの貸し借りや交換を行うことができます。取引のたびに手数料が発生し、これらの手数料は流動性を提供した引き換えとしてLPに支払われます。金利の他にも、LPに流動性プールへの継続的な資金供給を促すために、プロトコル独自の実装に応じて、新しいトークンも付与されます。

DeFiはイーサリアム(ETH)をベースに構築され、ステーブルコインを預けるのが一般的です。DeFiでは、ステーブルコインはUSDに紐付けられています。そのため、DeFiのエコシステムでは、DAI、USDT、USDCなどの仮想通貨をよく見かけます。しかし、これはプロトコルによって異なるところもあり、例えばUSDTをコンパウンドに入金した場合、USDTの代わりに、cUSDTを受け取ることになります。

利回りを最大化するために、どんな仮想通貨をどれだけ預け入れるかといった制約はありません。ただし、得られるリターンに関してはプロトコルの状態によって左右されることを留意する必要があります。つまり、cUSDTを保有している際も、元々のプロトコルに紐付けされたトークンの価格によって価値は変動しているということです。

イールドファーミングの歴史はまだまだ浅く、高利を得るためのメカニズムや運用方法を理解するのはそう簡単ではありません。さらに、現役のイールドファーマーたちの中にも戦略を公開している者は少なく、初心者にはなかなか理解しづらいのが現状です。

イールドファーミング vs. 仮想通貨マイニング

イールドファーミングと仮想通貨マイニングにも違いがあります。それはビットコインをはじめとする仮想通貨マイニングが「PoW(Proof of Work)」と呼ばれるアルゴリズムに基づいているのに対し、イールドファーミングは「マネーレゴ」と呼ばれ、イーサリアム上に構築された分散型エコシステムが土台です。それぞれのDeFiアプリケーションをまるで玩具のレゴを組み合わせるように、相互に接続することができるため、利益を最適化しやすいというメリットがあります。仮想通貨マイニングと比較すると、イールドファーミングは管理者の許可を必要としない流動性プロトコルを使用している点で革新的な方法だと言えます。

イールドファーミングも仮想通貨マイニングもマイニングプールを使用しますが、最も大きな違いは、「流動性プロバイダー(LP)」の存在です。

仮想通貨マイニング:マイニングによって新たなブロックチェーンを生成し、既存プールの通貨供給量を増やします。

イールドファーミング:LPが流動性プールに資産を預け入れ、取引の流動性を供給する役割を果たします。こうすることで、その仮想通貨を借りたい人が賃借料を払って借用し、支払った金利手数料を貸し手が利回りとして受け取ることができます。

DeFiを活用することで、管理者の仲介なしで金利を受け取ることが可能になりました。

イールドファーマーと仮想通貨マイナーは、報酬を最大化するために戦略を立てるという同じ目標を持ちます。

イールドファーミング vs. 流動性マイニング

流動性マイニングとイールドファーミングは、どちらも仮想通貨を使って報酬を得る行為ですが、その意味は微妙に異なります。

イールドファーミング:資産を預け入れ、流動性を提供する見返りとして金利報酬や取引手数料の一部などを受け取る行為全般を指します。

流動性マイニング:イールドファーミングの報酬として得たLPトークンを、さらにまた預け入れ、インセンティブとしてガバナンストークンを獲得します。

端的に言えば、流動性マイニングはイールドファーミング内に加わった新たな技術と言えます。流動性マイニングの登場によりプラットフォームの利用が高まり、トークンの価値も上昇、さらに多くの参加者を促す、という好循環が生まれました。まさにこれが、現在のDeFiブームを加速させた大きな要因の一つです。

流動性の分析にはコインやトークンの供給量が用いられますが、マイニングではPOW(Proof-of-Work)の計算能力に基づいて算出されています。例えば、UniSwapのような流動性プールに流動性を供給すると、各ブロックの採掘完了時に、生成されたトークンと0.3%のスワップ配当を得ることができます。

これに対してイールドファーミングは、ファンドレバレッジや流動性マイニングなどを用いながら、DeFiプラットフォーム全体の流動性を高め、利益を最大化しています。優れたイールドファーマーは、プラットフォーム間で資産を移動させて高い報酬を得るために利回り戦略を立てます。こうした戦略は、イーサリアムトークンの流動性を高める正統派のものから、年利を100%に設定しローンを活用することでコンパウンドトークンを借りるものなど、多岐にわたります。

イールドファーミング vs. ステーキング

イールドファーミングでは、トークン保有者が資産を貸し出しプールにロックすることで、そのリターンとして金利や報酬を得ることができます。

一方、仮想通貨ステーキングでは、PoS(Proof-of-Stake)プロトコルに基づいて、仮想通貨の保有量や保有期間の長さによって権限が与えられ、その貢献度に応じた報酬を受け取ることができるという仕組みです。ステーキング参加者の中から、より保有量や保有期間が優れた者が、意思決定プロセスを管理する承認者(バリデーター)に任命され、報酬を得ることができるのです。

イールドファーミングとステーキングを比較すると、ステーキングではバリデーターに任命される可能性を高めるために、多くの仮想通貨を保有することが重要になります。対象となる仮想通貨の成熟度にもよりますが、ステーキング報酬を受け取るまでに数日かかることもあります。

対照的にイールドファーミングでは、新しいガバナンストークンや取引手数料を獲得するために、仮想通貨を積極的に移動させることが大切です。この点で、仮想通貨を保有・保管していることが重要になるステーキングとは異なり、複数のプロトコルにまたがって複数の仮想通貨を預け入れることができます。例えば、イーサリアムをコンパウンドに預けてcETHを鋳造し、その後、3番目と4番目のトークンを鋳造する別のプロトコルに連続して預けることもできます。

ステーキングに比べて、イールドファーミングの構造はより複雑で、ブロックチェーンを辿るのが難しいケースもあります。また、イールドファーミングの収益率は高いですが、その分リスクも高いため注意しながら運用することが大切です。

Profitability

イールドファーミングは稼げるのか?

運用する前提として、どの程度のリターンが期待できるのかが争点となります。前述の通り、イールドファーミングは流動性プールに資金を預け入れることによって報酬を得る仕組みですが、その利益率は気になるところです。

通常、イールドファーミングのリターンは年単位で計算されます。つまり、より正確な予測分析のためには、1年間の平均リターンを予想する必要があります。しかし、イールドファーミングの収益性は、投資資金や戦略、そして担保として預ける仮想通貨の価格変動リスクなど、様々な外的要因に大きく左右されるため、その算出は非常に複雑です。

イールドファーミングはまだまだ伸びしろがあるプロダクトであり、所有する仮想通貨次第ではリターンも大きくなるでしょう。収益性は未だ不確実ではありますが、イールドファーミングの成功例は多数あり、収益率が100%を超える場合もあります。DeFiのアクティブユーザーの継続的な成長に伴い、ガバナンストークンへの投資は今後数年間にわたって一大ブームになる可能性があります。

イールドファーミング報酬の算出方法

イールドファーミングの収益は、長い目で見ることが大切です。ボラティリティなど様々な要因を考慮する必要があるほか、需要と供給のバランスについても検討しましょう。例えば、多くの参加者が特定の戦略を同じように利用するということが起きれば、当然それに比例してリターンも減少してしまいます。 

しかし、こうした制限は受けるものの、イールドファーミングの投資収益率(ROI)の計算は可能です。ここでは、イールドファーミングに用いられる標準的な指標をご説明します。

年率 (APR)

APRは、利益が確定した際に元本だけをそのまま運用する「単利計算」で算出されています。そのため、複利を含まない年間収益率(%)を意味し、預け入れたトークンを1年後に回収した場合の、単純な利益率を表します。年率は借り手に課せられ、貸し手に支払われます。

年間利回り (APY)

APYはAPRとは異なり、受け取る利子を元本に入れたものに利子がつく「複利計算」で算出された年間収益率(%)です。

基本的に2つの指標の主な違いは、APRが複利を考慮していないのに対し、APYは元本+配当に利息を加えた収益率を表している点です。APRは理論上、一定数の利益が直線的に増えていくのに対して、APYの場合、算出された通りの運用収益が出るまでに半年ほどかかります。しかし、APYは曲線的に収益率が高まります。

つまり、実際に表示されているAPYの収益率を達成するためには、長期的に複利運用を繰り返すことが前提となります。

イールドファーミングにおけるリスクとは?

投資には常にリスクがつきものです。イールドファーミングも例外ではありません。イールドファーミングは、他の投資商品に比べ確かに収益性が高いのですが、しっかりとした運用戦略なしでは、利益が出にくい仕組みとも言えます。収益性の高いイールドファーミング戦略とは、基本的に複雑なプロセスを必要とするものが多く、さまざまな投資戦術を展開するためには、十分な資金も必要です。

こうしたイールドファーミングの仕組みを理解しないまま運用する場合、次のようなリスクに直面する可能性があります。

資産損失の可能性

ローンを組むためには、ある程度の資産を担保にする必要があります。プロトコルによっては、借り手に対して高額な担保を要求するものもあるため、事前に確認が必要です。突然の市場変動が起きた場合にもポジションを確保するために、こうした規定が設定されています。一方で、ほとんど担保が不要の場合もありますが、強制決済を避けるためには、保証金率を考慮に入れることが非常に重要です。

例えば、資産を借りる際、保証金率400%の担保が必要だとします。この場合、担保金として1000ドル支払ったとしても、実際には250ドルしか借りることができないのです。つまり、保証金率が高ければ高いほど、借りられる金額は少なくなるということです。実際に借りようとしている資産をベースに、想定される担保金額を見積もり、強制決済を回避する必要があります。

スマートコントラクトの脆弱性

イールドファーミングは中央集権システムを持たず、全ての取引は匿名の二者間で完結する、「スマートコントラクト」に基づきます。そのため、スマートコントラクトの脆弱性を突くようなハッキングやエラーが発生すると、財務情報の漏洩、資産の損失などの被害を受ける可能性があることも考慮する必要があります。

トークンの価値変動

ガバナンストークンをはじめとする獲得トークンの価値は、今後大きく上昇するかもしれませんが、逆に下落する可能性もあるということを忘れてはいけません。現在DeFiへの関心は高まっており、成長の可能性は示唆されているものの、イールドファーミングの今後の展望を完璧に読み解くことはできないでしょう。トレンドが沈静化してしまったり、トークンの過剰供給などの市場の急激な変化が発生したりすると、その価値も同様に下がってしまいます。

補償プロセスの課題

DeFiはアプリケーションやプロトコル間で承認を必要としないシステムを採用しています。これによって、管理者の仲介を必要としない、スムーズなプロトコルを実現しています。 しかし一方で、トラブルや不具合が生じた場合の対応が難しくなるというデメリットもあります。金融機関などが仲介している場合は管理責任者が明確なため、補償制度がしっかりしていますが、分散型のDeFiシステムでは管理責任者が存在しないため補償制度が整っていません。今後、エコシステム全体で損失を補う仕組み作りが求めれていくでしょう。

イールドファーミングの安全性

イールドファーミングが100%安全だと思い込んでしまうのは危険です。いかなる投資商品においても、時間と労力をかけ、そのメリットとデメリットをきちんと理解することが重要です。研究を重ねていくことで、ご自身に最適の戦略や対応策が見えてくるでしょう。

まずは、スマートコントラクトの仕組みを正しく理解することが、安全にイールドファーミングを行う上で必要不可欠です。契約書の解釈を第三者に頼るのではなく、しっかりとご自身で理解し、調べることで詐欺に遭う確率を減らすことができます。

また、スマートコントラクトのシステムはバグなどの脆弱性を抱えている点にも注意しなければなりません。システム障害が発生した場合は、プロトコル内でステーキングしているトークンを失うリスクと隣り合わせなので、早急な対応が求められることがあります。

一部の仮想通貨投資家は、DeFiやイールドファーミングが無限に成長していくと考えていますが、他の仮想通貨プロダクトと同様、ボラティリティが伴うことも考慮しましょう。イールドファーミングは、その圧倒的な利回りで大きな注目を集めているものの、中にはこれを単なる仮想通貨バブルだと揶揄する見方もあります。ご自身の懐具合と知識を常に天秤にかけながら、論理的に運用を行ってください。

イールドファーミングを支えるプラットフォーム

イールドファーミングでは、プラットフォームに流動性を提供することでインセンティブを得ることができます。したがって、リターンとして得られる報酬と手数料は、投入する資本とベースとなる戦略に応じて変化していきます。

ここで、最も気になるのは「どのプロトコルを選ぶべきなのか?」という点だと思います。利回りを分散させ、収益を最大化するために大切なプラットフォーム選びについて、代表的なものを2つご紹介します。

UniSwap(ユニスワップ)

イーサリアムのブロックチェーン上に構築された、自律分散型取引所(DEX)です。ユニスワップは、スマートコントラクトに基づいた自動マーケットメーカー(AMM)形式で、資金を特定のプールに預けるだけで、専用のガバナンストークンである「UNI」を報酬として得ることができます。取得したUNIは価格が設定されているため、スワップすることも可能です。スワップすることで新たに流動性が提供されると、流動性プロバイダー(LP)は0.3%の手数料を受け取ります。

Compound(コンパウンド)

コンパウンドは、管理者不在で仮想通貨の貸し借りができる、分散型レンディングサービスです。ユーザーは資産を預けるだけで、銀行よりも高い金利を受け取ることができます。また、こうした貸し借りを多く行うことで、「COMP」というガバナンストークンを獲得することができます。イーサリアムウォレットを持っている人なら誰でもCOMPの流動性プールに資産を供給することができるため、最も人気のあるDeFiサービスの一つです。しかし、先に述べたような借入時の過剰担保などの課題もあるため、考慮しながら運用する必要があります。

ステーキングの利回り

イールドファーミングの優れた点は、受け取った利回りをさらに預け入れることで、より多くの利益を生み出すことができることにあります。例えば、あるLPがアルゴリズムで鋳造されたトークンを受け取ったとします。その後、そのトークンを他のプロトコルに再度ステーキングすると、3つ目のトークンを得ることができるということです。

これらのプロトコルに対応しているプラットフォームをご紹介します。

Aave(アーべ)

アルゴリズムの金利によって、資金を預けた貸し手は「aトークン」とともに、コンパウンド利子を得ることができます。

Balancer(バランサー)

Balancerは、UniswapをはじめとするAMMと似たプロトコルを採用しており、LPは流動性をプールに供給できます。Balancerの最大の特徴は「自動リバランス機能」といって、複数トークンを組み合わせて、それぞれの割合を保ちながら維持するカスタムインデックスファンドを作成できる点にあります。

Curve(カーブ)

ステーブルコイン同士のトレードに特化したDEXです。Curveも、Uniswapのように機能しますが、Curveは他のレンディングサービスとも連携しているため、トレーダーはより低いスリッページ率でスワップを行うことができます。例えば、CurveのトークンをSynthetixに預け入れ、鋳造されたトークンをSETHにして、他のステーキングした人に再分配する、といった運用も可能です。

イールドファーミングを始める前に気をつけることとは?

変動するガス代

イールドファーミングはイーサリアム上に構築されています。そのため、イーサリアムの取引やスマートコントラクトの実行には経費がかかります。特に、手数料であるガス代に注意が必要です。プロトコルが複雑になればなるほど、トランザクションを実行するために必要なガス代は増えていきます。

ガス代は、取引を実行するためにネットワーク内で支払わなければならない手数料のようなものです。例えば、Synthetixとやりとりする場合はプロトコルが他のプロトコルよりも複雑なため、SNXを転送する際にはより多くのガス代が必要になります。

ステーキング時の負債プールリスク

負債プールは、利用しているプラットフォームで出資したトークンの価値の合計を表しています。Synthetixを例にとると、sUSDを鋳造して出資した時点で、すでに債務の一部として計上されます。

ETHが高騰している間に、SNX保有者の大多数がsETHを保有している場合、負債プールも比例して増加します。つまり、再びSNXのロックを解除するためには、より多くの資金が必要になるのです。例えば、1,000 sUSD を鋳造したとすると、SNXのロック解除には1,000 sUSDが必要ですが、Synthsの価格が2倍になると、ロック解除率も合わせて2倍になります。

誤解を招きやすいAPY

APYで短期的な利益を計算することは、誤解と混乱を招く可能性があります。通常、利回りは年間で期待できるリターン(%)に基づいているため、これを短期的な戦略に落とし込むのは危険です。時間ごと、日ごと、または週ごとの利回り報酬を想定する際には、APYではなくAPRを参照するべきでしょう。

イールドファーミングの将来性

DeFiとイールドファーミングは、2020年の夏以降、多くの人々の注目を集めてきました。このエコシステムには現在、100万人以上のアクティブユーザーが参加しており、その未来は様々な可能性で溢れています。今後も、イールドファーミングの流動性やDeFi全般に革命を起こすような、新たな風が舞い込むことも大いにあるでしょう。もしかしたら、これまでの「ビットコイン時代」を引き継ぐのはDeFiかもしれません。今後の動きにますます目が離せません!