【決定版ガイド】ビットコインとは何か?
だれもが、ビットコインについて耳にしたことはあるはずです。
実際に保有している方も大勢いるでしょう。
でも、ビットコインがどのようなものか、本当にご存じですか? また、もっと詳しく知りたいと考えたことはありませんか?
この決定版ガイドを読めば、ビットコインの全体像を深く理解できます。
さあ、始めましょう。
まず始めに、ビットコインが何者かを知りたいとお考えではありませんか?
ビットコインは、世界初の仮想通貨(暗号資産)です。考案者は匿名のサトシ・ナカモトという人物で、2009年1月3日に最初のブロックが生成されました。法定通貨の代替手段として利用できますが、価値貯蔵機能があると考えられているため、投資対象としても高い人気を誇ります。
ビットコインはなぜ特別な存在なのか?
ビットコイン(BTC)は、ハードフォークやマイニング禁止など、数多くの課題に直面してきましたが、今なお最も有望な仮想通貨です。歴史が最も長く、今後生き残る可能性も一番高いと考えられます。しかし、何がビットコインを特別たらしめているのか、ご存じでしょうか? その答えは、ビットコインが持つさまざまな特性にあります。
分散型ガバナンス:だれもがビットコインノードを実行して、ネットワークのガバナンスに貢献できます。銀行や政府とは異なり、特定のグループや団体に管理されてはいません。
ピアツーピア(P2P):銀行などのサードパーティが仲介して取引を承認するのではなく、当事者間で直接取引できます。そのため、取引や口座に対して凍結や検閲が行われるおそれがありません。
ボーダーレス(境界がない):世界中のどのような相手や場所に対しても、従来の金融システムより安価かつ迅速に国際取引を行えます。
改ざん不能:取引の検証が終わると、その取引は完了します。ブロックチェーンの取引履歴を変更することは、ほぼ不可能です。また、すべての取引が公開されており、公開台帳で閲覧できます。
二重支払いの防止:ビットコインが採用するコンセンサスメカニズムのおかげで、二重支払いは起こり得ません。所有していないビットコインを使用できないしくみになっており、登場当時はデジタル通貨のブレークスルー(画期的な進歩)と称されました。
希少性:ビットコインは2,100万枚しか発行できず、その設計がソースコードにハードコード(直接記述)されています。4年ごとにマイニング報酬が半減するので、法定通貨とは異なり、インフレを緩和しやすい特性があります。
プルーフ・オブ・ワーク
仮想通貨のマイニングは、従来のマイニング(鉱物資源の採掘)とはもちろん異なります。マイニング業者が新規の取引を検証し、データがブロックチェーンに追加・保管されるしくみです。
ブロックチェーンは基本的に、公開台帳の役割を果たします。安全なピアツーピアネットワークを通して、利用者間の取引を保管します。そのネットワークは、ノードと呼ばれるデバイス経由で結びついています。
ブロックチェーンに新規取引を追加するには、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)コンセンサスメカニズムに基づいて、ビットコインの全マイニング業者がその取引に同意し、検証する必要があります。
PoWのおかげで、二重支払いや51%攻撃は起きず、ビットコインの完全性と安全性が担保されています。全体のしくみとして、マイニング業者は互いに競争しながら、ブロックチェーン上で新規取引を検証・確認しています。
このしくみは、複雑な数学的問題(ハッシュ)を解けたマイニング業者に対して、新しいビットコインを付与することで成り立っています。2020年のビットコイン半減期を経て、現在のブロック報酬は6.25 BTCです。21万ブロックが生成されるたびに、つまり計算上は約4年ごとに半減期を迎えます。
次の半減期は2024年3月または4月と予想されています。生成量を半減させるプロトコルが作動すると、ブロック報酬が3.125 BTCになります。
ビットコインのマイニングには莫大な電力が必要なので、マイニング業者は互いのリソースをマイニングプールにプールして、マイニングに取り組んでいます。一般的なコンピューターでは歯が立たないほどの処理能力が求められるため、専用のハードウェア「マイニングリグ」が利用されています。
処理能力をどのように測定するのか?
この能力はハッシュレートと呼ばれる基準で測定されます。マイニングに必要なコンピューターの処理能力を測る基準です。
ハッシュレートが高ければ、ネットワークの安全性が優れていると見なされます。51%攻撃に必要な処理能力が高くなるからです。51%攻撃とは、ある集団がネットワークの過半を支配して、取引記録を改ざんする不正行為です。
幸いなことに、ビットコインのブロックチェーンで51%攻撃を実施するには莫大な処理能力が必要なので、過去に一度も起きたことはなく、今後も不可能に近いでしょう。
ハッシュレートはマイニングの難易度と連動しており、ブロックチェーンに新規ブロックを追加する難しさを示しています。
ビットコインは10分ごとにネットワークへ追加されています。マイニング難易度がある種のチェック機能を果たし、全体のバランスを取ることで、この規則性を守っています。
ハッシュレートが増加すれば、ブロックチェーンの安全性も高まります。ただし、ハッシュレートにも一定の規則性があります。なぜなら、生成されるブロック数の規則性を守る必要があるからです。
そのため、ハッシュレートが増加すれば、マイニング難易度も高くなります。一方、ハッシュレートが減少すれば、マイニング難易度も低くなります。マイニングリグはマイニングファームに集められ、そこでビットコインをマイニングしています。
ロシア、スイス、中国には、世界最大級のマイニングファームが立地しています。
マイニング報酬は約4年ごとに半減します。2012年には50 BTCから25 BTCへ減少しました。2016年には25 BTCから12.5 BTCへ、そして2020年には12.5 BTCから6.25 BTCへ減少しています。
本記事の執筆時点(2021年2月)で、ビットコインの発行上限2,100万枚のうち、およそ230万枚が未発行と予想されます。最後のビットコインが発行されるのは、2141年と見込まれています。
しかし、ビットコインのマイニングには、多くのリソースを費やすだけの価値があるのでしょうか? 答えを導くには、複数の要因を考慮する必要があります。
ビットコインのマイニング機器にかかるコスト
当初のマイニングは小規模でも可能でしたが、現在は様変わりしています。
すでに2010年までの時点で、中央処理装置(CPU)しか備えていない平均的なコンピューターでは歯が立たない状況でした。グラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)が不可欠になったのです。
その後すぐにマイニングリグだけが唯一の現実的な手段となり、特定用途向けIC(ASIC)が必須になりました。この機器は非常に高価で、数千ドルから数十万ドルもします。
ビットコインのマイニングに伴う電気代
ビットコインのマイニングには多大な電力を要するため、当然ながらメディアで否定的に報道されるようになりました。
英ガーディアン誌は2019年1月、(石油に次ぐ)「環境に関する次なる大きな闘い」と非難し、「環境負荷はビットコインに付きまとうだろう」と指摘しました。さらに、英BBCは2021年2月の記事で、ビットコインのマイニングにかかる電力が「アルゼンチン全体の電力消費量を上回る」と明らかにしました。
ビットコインのマイニング業者は、世界が脱石油でクリーンエネルギーを志向する中、環境主義者がビットコインのマイニングを次なる大敵と見なす可能性があると警戒しています。
ビットコインの価格
ビットコインは価格変動の激しい資産ですが、それはなぜでしょうか?
ビットコインは未成熟な資産だからです。流動性が低く、レバレッジが高いという特徴があります。また、強欲と恐怖の狭間で揺れ動く未熟な個人投資家に振り回されやすいため、その時々の情勢に大きく左右されるのです。
当然のことながら、ビットコイン価格はビットコインのマイニング費用に大きな影響を及ぼしています。ビットコイン価格が上昇すれば、マイニング機器の稼働に必要な電力も大きくなります。
また、小規模なマイニングプールでは長期的なビットコイン価格の上昇に対処できず、大規模業者のみが生き残る可能性があります。
このような課題を克服するには、効率性を改善してエネルギー消費量を削減し、ひいてはコストも低減できるかが鍵です。複数のシグネチャと取引を一括処理するタップルートや、ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策として一部で称賛されているライトニングネットワークなど、一定の改善策も実施されています。
ライトニングネットワークでは、検証用にブロックチェーンを利用せずに、多くの取引を完了できます。その結果、取引にかかる時間とコストが従来のごく一部で済みます。いくつかの仮想通貨取引所では、すでに導入済みです。
一部の関係者は、グリーンマイニングに向けた取り組みとともに、このような改善策をビットコインの未来として有望視しています。
ビットコインの歴史を紐解く
ビットコインの登場は、「歴史」と言えるほど昔のことではありません。
その始まりは、わずか十数年前です。ジェットコースターのようなビットコインの軌跡を振り返ると、2008年8月に行き着きます。当時は金融危機が世界を覆っていました。
このとき、Bitcoin.orgがドメインとして登録されたのです。その後、2008年のハロウィーンには、ビットコインに関するホワイトペーパーが公表されました。
そのタイトルは「ビットコイン:ピアツーピア電子現金システム」です。匿名の著者サトシ・ナカモトは、お金に関する人々の考え方をビットコインが変革していくビジョンを述べました。具体的な手法は以下のとおりです。
分散型ネットワークでキャッシュレスのピアツーピア取引を実現し、仲介業者を排除する。
個人が通貨を2回以上支払う「二重支払い」の問題を解決する。その手段として、プルーフ・オブ・ワークのコンセンサスメカニズムを導入して、ビットコインのマイニング業者が二重支払いを検知・中断できるようにする。
次なる展開は?
2009年1月3日、ビットコインが誕生しました。この運命的な日に、ナカモトはジェネシスブロックをマイニングしたのです。そのブロックには以下の不吉な一文が刻まれていました。
Chancellor on brink of second bailout for banks(財務大臣、2度目の銀行救済の瀬戸際)
どういう意味でしょうか?
これは当日の米タイム誌の見出しです。英国をはじめ、世界全体が金融市場の大暴落に対処すべく奮闘する中、英国アリスター・ダーリング財務大臣が銀行救済に向けて動いているとの記事でした。
このニュースとビットコインにどのような関係があるのでしょうか?
まさにこの見出しこそが、ビットコイン誕生の理由なのです。世界金融危機が起きた理由は多岐にわたりますが、一般大衆にとって金融市場が機能しなかったのは明らかです。
金融機関や政府は膨大な数の人々を裏切りましたが、そのような仲介者なしに機能する別の手段として、ビットコインが誕生したのです。
物品の購入
当然ながら、ビットコインは通貨なので、モノやサービスの決済に使用できます。世界中で決済手段として受け入れられ始めています。
ビットコインで購入できるものの例をご紹介します。
旅行
(許可されている場合には)ビットコインで世界中を飛び回れるのでしょうか?
はい、もちろんです。ビットコインを使用すれば、トラヴァラ(Travala)でホテルなどの宿泊を予約し、オルタナティブ・エアラインズ(Alternative Airlines)で航空券を予約できます。
ゴールド
一部の人々の間でビットコインは「デジタルゴールド」と見なされていますが、現物のゴールドも購入できます。
JMブリオン(JM Bullion)では、ゴールドのほか、銀やプラチナなどの貴金属もビットコインで購入できます。ビットコイン価格が将来下落すると考えているならば、効果的なヘッジ手段となり得ます。
不動産
読み間違いと思いましたか? いえいえ、不動産もビットコインで買えるのです。
ビットホーム(Bithome)には、フランスやイタリア、スイス、米国など、ビットコインで購入できる世界中の物件リストが多数掲載されています。ビットコインで購入可能な他の商品の概要については、Bybitのビットコインで購入できるものガイドをご覧ください。
仮想通貨デビットカードを提供する決済業者も増えています。つまり、オンラインとオフラインの両方で、デビットカード決済に対応しているお店なら仮想通貨を使えるのです。ATMでの出金にも対応しています。
増加傾向ではありますが、ビットコインで直接決済できるお店がまだ限られる中、仮想通貨デビットカードは仮想通貨でのお買い物に便利です。
取引
頻繁な価格変動は、トレーダーが利益を得る大きなチャンスになります。ビットコイン取引では、主にデリバティブ取引と現物取引の2種類があります。
デリバティブ取引では、現物を保有せずに将来のビットコイン価格について投機を行います。現物の代わりに、ビットコイン価格に関する先物契約を交わすのです。
現物取引では、ビットコインそのものを所有、購入、売却します。その名のとおり、現物を対象としており、注文はその場で約定されます。
Bybitでは、BTCUSDのデリバティブ契約を最大100倍のレバレッジで取引できます。これはマージン取引の重要なポイントです。
マージン取引とは何でしょうか?
マージン取引では、取引所から資金を借り入れて(レバレッジをかけて)、対象の資産を取引できます。相対的に小さな資本をテコに、高い自由度で大きな利益を得られる可能性があります。トレーダーにとって魅力的な手法と言えます。
ただし、マージン取引のリスク面もしっかり理解しておきましょう。レバレッジをかけるマージン取引には注意が必要です。仮想通貨相場は変動が非常に激しく、きわめて短期間で変動します。
その変動に伴って、ポジションの強制決済も起こり得ます。そのため、レバレッジでポジションを建てる前に、マージン取引の特徴を完全に把握しておくべきです。
損失を許容できる範囲内で、慎重に取引しましょう。興味をお持ちの場合は、マージン取引の決定版ガイドで詳細をご覧ください。
HODL(ガチホ)
HODLとは何の意味でしょうか?
何かの略語? はい、そのとおりです。しかし、元々は略語ではなかったのです。混乱したかもしれませんが、ご安心ください。複雑な話ではありません。
HODLという新語が生まれたのは、2013年のビットコインフォーラムでの出来事です。フォーラムのメンバーが自分のビットコインについて語る際に、興奮して「I AM HODLING!」と打ち間違えたのがきっかけです(正しくはI AM HOLDING!(私は保有している!))。その出来事は仮想通貨業界の語り草となり、意味的にもちょうど合っていたため、Hold On for Dear Life(ガチホ)の略語になりました。
ビットコインに価値貯蔵機能があると考える人が増える中、ここ最近はガチホ勢が指数関数的に急増しています。
レンディング
ビットコインをガチホする場合は、ビットコインを貸して利益を得ることもできます。
仮想通貨を担保に融資を受けたい人に対して、自分のビットコインを貸し出すことで、複利が得られます。BlockFiやCrypto.comなど複数のプラットフォームが、ビットコインをはじめとする仮想通貨のレンディングに固定金利を支払っています。
でも、なぜ人々はビットコインをガチホしているのでしょうか? ビットコインを買うべき根本的な理由をこれから説明しますので、その際に理解してもらえると思います。2020年末ごろから2021年初頭にかけて、ビットコイン価格に何が起きたのか見ていきましょう。
ビットコイン価格の推移
念のためお伝えしますが、ビットコイン価格はきわめて激しく変動します。2020年12月17日に2万ドルの過去最高値を更新した後、2021年1月7日には2倍の4万ドルを突破しました。
2021年2月16日には5万ドル、同年11月には過去最高値の6万9,000ドルを付けました。
ビットコインは量的緩和(紙幣増刷)に対するヘッジ手段として考案されました。最高値を付けた後は、金融引き締めのあおりで大幅に下落し、本記事の執筆時点では2万ドルのレンジにいます。
今後も大規模な金融緩和が起きるたびに、ビットコイン価格は高騰するでしょう。考案された理由の1つがヘッジ手段だからです。
ビットコインの社会的インパクト
周知のとおり、2020年初頭以降、新型コロナウイルス感染症が世界中の関心事になっています。その影響は、社会と経済の両面で、世界中のありとあらゆる場所に及んでいます。
コロナ禍が大きな社会変革を加速させた事例として、お金のデジタル化が挙げられます。
コロナ禍の前から進んでいた現象ではありますが、変化のギアが数段上がっています。
2020年11月のブルームバーグ記事をご紹介します。
「全体の傾向として、新型コロナウイルス感染症はビットコインや仮想通貨全般に追い風となっています。第1に、コロナ禍でデジタル世界への移行が加速しています。昔なら10年かかった変化が10ヶ月で訪れているのです。銀行店舗が閉鎖したがゆえに、従来は利用をためらっていた層もオンライン利用を余儀なくされています。第2に、オンライン利用の結果として、コロナ禍中に私たちの周りで金融面の監視や金融詐欺が急増しています。この両トレンドがビットコインにプラスに働いています。」
コロナ禍の影響で、個人投資家だけでなく、機関投資家の間でもビットコインの投資妙味が増しています。
機関投資家による投資の急増は、2017年の強気相場とは大きく異なる点です。2017年のビットコイン急騰は、FOMO(取り残される恐怖)にさいなまれた個人投資家の買い注文が主な要因で、明らかにバブルでした。しかし、今回は違います。
一部の大口投資家がビットコインを買い進めているのです。かつてはビットコインに否定的だった大口投資家まで買い始めています。
ニック・マギウリ氏も、その1人です。
コインデスクの記事で、「ビットコインはかつて私が思っていたような一芸しかない子馬(1つしか才能のないもの)ではないと気付いた」と述べ、「世間の総意として将来的に価値が上がる」と見なされるだろう、と語っています。
このような確信の下、ビットコイン投資に多額の資金が投じられています。投資熱が大いに高まった2020年、ビットコイン投資会社であるグレースケール・ビットコイン・トラストは、運用資産が900%以上増加して200億ドルに達しました。
でも、その確信の裏付けはどこにあるのでしょうか? ビットコインの価値貯蔵機能を認める声が高まっている点です。
コロナ禍で世界中の政府が大規模な景気刺激策に転じ、人々は金融機関や法定通貨への信認を失いつつあります。
また、景気刺激策の影響でインフレが大きく助長され、購買力も低下しています。ビットコインは法定通貨の代替手段として、このような問題からの安全な避難場所になっています。
つい最近まで、ビットコインが代替手段になるとの見方は、多くの金融専門家から笑いものにされてきました。しかし、この見解に同意する専門家が日を追うごとに増えています。
JPモルガンもその代表例です。
2017年、ジェームズ・ダイモンCEOはビットコインを「詐欺」と切り捨て、「ベネズエラやエクアドル、北朝鮮」、あるいは「麻薬密売人や殺人者」にだけふさわしいもの、とさげすみました。
ダイモンCEOがビットコインをひどく嫌っていたのは明らかです。
しかし、JPモルガンは方針を大転換しました。2021年1月、「代替」通貨としての地位をビットコインがゴールドと競う中で、14万6,000ドルに達する可能性があると予想したのです。
ビットコインの長期的な展望に強気なのは、同社だけではありません。
ブーストVCの共同創業者でマネージングディレクターを務めているアダム・ドレイパー氏が、興味深い話をしています。
私の1 BTCは今も1 BTCの価値があります。その一方で、他の通貨、つまり米ドルは価値が低下し続けています。
驚くべきことに、米連邦準備制度理事会(FRB)は2020年、推定9兆ドル(市中に流通する米ドルの22%に相当)を発行したのです。このペースで発行を続ければ、米ドルの購買力低下は避けられないでしょう。その一方で、人々が法定通貨の代替手段としてビットコインを求めれば、ビットコインの購買力は上昇する可能性があります。
マイクロストラテジー
米ドルの価値下落と大量発行を受けて、マイクロストラテジーなどの上場企業までもが、資本防衛の手段として自己資金の一部でビットコインを購入し、ビットコインの価値を強く支持しています。同社は現在、世界屈指のビットコイン保有高を誇ります。また、現在保有する約13万ビットコインを一切売却しないと宣言しています。それどころか、マイケル・セイラーCEOは社債発行で資金を調達してビットコインを購入し、そのビットコインを証拠金として実質的にレバレッジ取引をしています。しかし、このような取引ではマージンコールや強制決済に追い込まれる可能性もあります。2万1,000ドルあたりを境に、追証が必要になるようです。資金を工面できなければ、強制決済リスクに直面します。ただし、同社の投資家レポートによれば、担保として利用可能な9万枚超のビットコインを保有しています。また、実際の強制決済価格は約3,562ドルと、はるかに低水準です。
ビットコインでモノを買えますか?
ビットコインにまつわる話題を数多く紹介してきました。でも、ビットコインは本当に日常生活で利用できるのでしょうか? 今のところ、ビットコイン決済に対応する店舗も一部にはありますが、全体の傾向として、ビットコインはあまり決済用に利用されていません。数年後はどうでしょうか? ビットコインの未来はどうなるでしょうか?
日常生活で利用できるようになるには、ビットコインが主流になる必要があります。ドイツ銀行が2020年に発表したレポート「Imagine 2030」は、ビットコインなどの仮想通貨が(2030年までに)主流になるために乗り越えるべき壁について解説しています。具体的には以下のとおりです。
1. 各国政府や規制当局から正当/合法と認められる
同レポートによれば、正当と認められるには、価格の安定性を実現し、そのメリットを店や顧客に十分伝える必要があります。
世界共通の規制を確立するのは不可能です。しかし、仮想通貨取引などの分野で共同規制を設ければ、相場操縦を最小限に抑えて、市場からの信認獲得やボラティリティの低減につながるでしょう。
2. 世界の決済市場で普及する
ドイツ銀行の主張によると、決済市場で普及するには、主要ステークホルダーが仮想通貨を支持する必要があります。この点で非常に望ましい進展がありました。ペイパルの顧客は2021年初頭から、同社プラットフォーム上で仮想通貨を購入、売却、保有できるだけでなく、アイテムの購入にも利用できるようになります。
このニュースには大きなインパクトがあります。膨大な人がビットコインなどの仮想通貨を利用する機会を得るのです。直近の試算によると、ペイパルが世界で抱える顧客ベースは2020年末時点で3億5,000万人を超えています。他の良いニュースとして、マスターカードは2021年2月、加盟店が年後半に仮想通貨を決済手段として承認できるようにすると発表しました。
いまだに障壁は残っていますが、達成の見通しが立ち始めています。
今後のビットコイン価格に影響を及ぼす要因は、他にもあるのでしょうか?
もちろん、需要と供給というシンプルな概念があります。
毎日900枚のビットコインが現在ミントされていますが、ペイパルやグレースケールなどの機関投資家だけで毎日900枚以上を購入しています。この状況は、世界最大の人気を誇るビットコインにとって、非常に有望な強気サインとなっています。
流通量も影響します。2025年までに、2,000万枚のビットコインが供給される見通しです。ご存じのとおり、ビットコインの発行上限は2,100万枚であり、最後の1枚が発行されるのは遠い先(2141年)でしょう。
したがって、近いうちに需要が供給を追い抜くのは、だれの目にも明らかです。これも強気サインと言えます。ただし、他のあらゆる投資対象と同じく、投資する際には自分で調査することが大切です。当然ながら、リスクを最小限に抑えるにはポートフォリオの分散が賢明です。
投資家がビットコインを購入している理由について、理解していただけたと思います。今度は、「いつ購入すればよいのか」と迷っていませんか?
ビットコインの購入時期はいつがよいのか?
歴史を紐解けば、ヒントが見つかります。ただし、本記事の内容は金融に関する助言や推奨ではなく、情報提供のみを目的としていますので、必ずご自分でも調査してください。
下図は有名なビットコインのレインボーチャートで、長期的な価格予想を示しています。青色の領域に達するたびに、買い時、つまりバーゲンセール期が訪れていると言えます。ただし、このような時期には市場がパニックに陥っているのが常でしょう。なお、過去のパフォーマンスは将来の成果を示すものではありませんので、ご注意ください。
こちらでチャートを閲覧できます。
今すぐビットコインを購入したいとお考えですか? 以下で購入方法をご紹介します。
ビットコインの購入方法は?
ご安心ください。簡単に購入できます。
Bybitでは、3ステップで簡単に仮想通貨を購入できます。
詳しい手順については、ビットコインの購入方法でわかりやすく解説されています。
ビットコインやイーサリアム、USDTを購入可能で、わずか数分でウォレットに入金されます。ビットコインATMを使って、オフラインでも購入できます。ただし、その場合もウォレットは必要です。
「ウォレットって何?」と思った方のために説明しますと、仮想通貨業界のウォレットとは、ビットコインなどの仮想通貨を保管する媒体です。
オフライン(コールドウォレット)とオンライン(ホットウォレット)の2種類があります。
ビットコイン本体がウォレット内に保管されるのではなく、ビットコインはすべてブロックチェーン上に保管されています。本質的には、各ウォレットはビットコインネットワークと通信するソフトウェアプログラムです。
各ウォレットには、パブリックキーとプライベートキーが存在します。
パブリックキーはだれにでも公開できます。メールアドレスのように、ビットコインを受け取るためのIDとして機能します。
その反対に、プライベートキーは他人に決して教えてはならず、取引を承認するためのパスワードとして機能します。
このトピックの重要事項については、Bybitの「仮想通貨ウォレットとは?」ガイドをご覧ください。ウォレットの設定方法から、ビットコインの送金/受け取り方法までよくわかります。
Bybitは、業界屈指の階層決定性コールド・ウォレット・システムを採用することで、お客様の資金をきわめて安全に保管しています。
次は安全性について取り上げます。
ビットコイン投資のリスクとは?
その他の投資と同様に、ビットコイン投資にもリスクはあります。十分な知識を持って投資するには、ポテンシャルだけでなく、リスクも知っておきましょう。ビットコイン投資の短所について理解を深めていただくために、主要なリスクをご紹介します。
規制リスク:ビットコインは比較的新しい資産タイプなので、規制環境は不透明で、絶えず変化し続けています。地域や国によっても、それぞれ独自のルールが敷かれています。その一例が米国です。ニューヨークなどの都市はビットコインのマイニングを禁止していますが、テキサス州などの一部地域ではマイニングに好意的な傾向が見られます。しかし、ルールはいつでも変わり得ます。最近の例として、2021年に中国は突然、ビットコインのマイニングと取引を禁止しました。その影響でビットコイン価格は大きく下落しています。
セキュリティリスク:ビットコインを保有する個人の多くは、取引所で購入・保管しています。業界の格言に「鍵を持たぬ者はコインを持たず」というものがあります。取引所がハッキングに遭ったり、取引が停止されたりすれば、自分のビットコインも失われるリスクがあります。
市場リスク:ビットコイン価格はきわめて大きく変動します。極端な例では、2013年に1日で61%下落しました。また、2014年には1日に80%と、最大の下落幅を記録しました。ビットコイン投資では、このような変動にも心の準備をして、3年以上の長期的な時間軸で投資することがお勧めです。
ビットコインは安全か?
ビットコイン初心者の脳裏にこの疑問がよぎるのも、無理はありません。
具体的に、ビットコインはどれほど安全なのでしょうか? 所定の手順を守るかぎり、ビットコインはきわめて安全です。だれもが、取引承認用のプライベートキーを持ちます。プライベートキーなしに、自分のウォレットからビットコインを出金することはできません。
プライベートキーは24語のシードフレーズからなります。そのため、プライベートキーを安全に保管し、だれにも教えないことが非常に重要です。シードフレーズやプライベートキーを安全にバックアップする方法を知りたい場合、こちらの記事をご覧ください。
先述のとおり、ビットコインは、51%攻撃などのハッキングを受ける可能性がきわめて低い設計になっています。
ビットコインについて理解が深まったと思います。では、他の仮想通貨とは何が違うのでしょうか?
ビットコイン 対 イーサリアム
ビットコインとイーサリアム(厳密に言えば通貨名は「イーサ」で、イーサリアムはイーサの土台となるプラットフォームの名称)は現在、No.1とNo.2の時価総額を誇ります。しかし、両通貨の類似点は、時価総額の大きさのみと言えます。
そもそも、別々の目標で誕生した仮想通貨なのです。
ビットコインは法定通貨の代替手段として考案されました。したがって、価値貯蔵機能を有しており、価値の交換に利用される通貨です。
2021年までは、どちらの通貨もPoWコンセンサスメカニズムを採用していました。しかし、イーサリアム2.0以降、イーサリアムのネットワークはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へ移行しました。
イーサリアムは、スマートコントラクトを利用して分散型アプリ(DApp)を実装する分散型ネットワークとして考案されました。その中で、イーサはブロックチェーン上の通貨として機能しています。
スケーラビリティ面の課題は、イーサリアムで大幅に改善しています。1ブロックを生成するのにビットコインは10分かかりますが、イーサリアムは約15秒で済みます。イーサリアム考案者のヴィタリック・ブテリン氏は、ビットコインのブロック生成時間に不満を抱いており、この点を意識的に改良したのです。イーサリアムはブロック生成時間が短いため、DAppの実装が可能になりました。これこそ、イーサリアムがDAppで重宝される最大の理由です。一方、ビットコインは、法定通貨の代替手段としての用途が主です。
イーサリアムの詳細については、イーサリアムとは何かに関するBybitの包括的なガイドをご覧ください。BybitではETHUSD契約を取引できます。
ビットコイン 対 ライトコイン
ライトコインは昔から存在する仮想通貨の一種です。2011年に誕生しましたが、長男のような存在のビットコインとは何が違うのでしょうか?
「アルトコイン界のビットコイン」として知られており、PoWなど、ビットコインと同様の機能が数多く採用されています。では、なぜライトコインが誕生したのでしょうか?
それは、ビットコインが直面する課題に対処するためです。ブロックチェーン上での新規ブロックの検証時間が主な課題でした。ビットコインは10分かかりますが、ライトコインは2.5分で済みます。
スケーラビリティの面では、ライトコインは昔からライトニングネットワークを採用しています。ビットコインのブロックチェーンがライトニングネットワークを利用し始めたのは、最近になってからです。
両通貨は異なるハッシングアルゴリズムを採用しています。ビットコインがSHA256であるのに対し、ライトコインはエネルギー消費量の小さいScryptを採用しています。
ライトコインは誕生以来、一定の人気を維持しており、時価総額で上位10通貨に入っています。とはいえ、ビットコインの座を奪うことは決してなかったのです。なぜでしょうか?
あえて言えば、ビットコインではないからです。有利なスタートを切ったのはビットコインでしたが、ライトコインにも優れたメリットがあるのは明らかです。ライトコインは、ビットコインよりはるかに多い場所で決済手段として受け入れられています。
また、通貨の絶対数も上回っています(8,400万枚 対 2,100万枚)。発行上限数は投資家にとって重要なポイントです。通貨の発行枚数が増えるほど、価格は低下しやすいからです。
ライトコインの詳細については、ライトコインとは何かに関するBybitのガイドをご覧ください。
ビットコイン 対 USDT
次に、3番目の時価総額を誇るUSDTについてご説明します。
ビットコインとUSDTは性質が異なります。USDTはステーブルコインです。
ステーブルコインとは、その価格が安定資産(または資産グループ)の価値に連動している仮想通貨です。大半のステーブルコインは、米ドルなどの法定通貨に連動します。また、ゴールドや銀などコモディティ資産に連動する場合もあります。
USDTは米ドルにペッグ(連動)しています。つまり、USDTの価格は常に、米ドルと同一になるか、近似します。
では、ビットコインとはどのような関係にあるのでしょうか?
ビットコイン価格が変動するのは周知の事実ですが、そのような変動時にUSDTは資金の安全な置き場となり得ます。
Bybitのインバース無期限契約では、原資産となる仮想通貨が取引に使用されます(BTCUSDの場合はビットコイン)。そのため、トレーダーは仮想通貨を証拠金として保有しておく必要があります。結果的に、トレーダーがポジションを建てただけで、損失を計上する可能性があります。
しかし、BTCUSDT契約を利用すれば、損失リスクを回避するためにポジションをヘッジする必要が一切なくなります。USDTが証拠金の役割を果たすからです。
市場の変動時に、USDTを担保とするポジションに資産を切り替える手法は、有効な選択肢となります。
詳細については、Bybitの「資産を変換する方法」をご覧ください。
ビットコインは合法ですか?
大半の国でビットコインの利用は合法です。その証拠に、仮想通貨を取り扱う投資家やトレーダーに友好的な国も数多くあります。
しかし、国ごとにビットコインの法的な地位は異なります。通貨として認める国もあれば、キャピタルゲイン税の対象となる取引可能な金融資産と見なす国もあります。
エルサルバドルや中央アフリカ共和国など一部の国は、ビットコインを法定通貨と宣言しています。その一方で、ビットコインが自国の金融システムにとって脅威になるとの恐れや、違法行為に利用されるとの懸念からビットコインを全面的に禁止する国も若干あります。
BTCをショートする方法
BTCのショート(売り建て)とは、複数の要因を考慮して、ビットコイン価格が今後下落する方向に賭ける投資手法です。具体的には、最初に取引所やブローカーから通貨を借り、足元の市場価格でBTCを売却します。次に、ビットコイン価格が予想どおり下落した時点でビットコインを買い戻し、貸し手へ返済します。BTCをショートする方法は、以下のように複数あります。
マージン取引
クラーケンやバイナンスなど、マージン取引に対応するプラットフォームでは、ブローカーから通貨を借りてマージン取引を実施できます。レバレッジをかけることで、買い手は投資リターンを増やせます。
ビットコイン先物
他のあらゆる資産と同様に、ビットコインにも先物市場があります。2017年から、ビットコインの先物取引は人気を集めています。最近は、複数の取引所で先物取引ができるようになりました。その代表格が、世界最大のデリバティブ取引プラットフォームでもあるシカゴ・マーカンタイル取引所です。
バイナリーオプション取引
トレーダーはコールオプションやプットオプションを使って、ビットコインをショートできます。バイナリーオプションは、海外の取引所で利用できます。ただし、マージン取引よりも費用とリスクは高くなります。
ビットコインCFD
ビットコインの差金決済取引(CFD)は、ビットコイン先物に似ています。ただし、ビットコインCFDの方が、通常の先物契約よりも決済期間が柔軟です。
BTCをショートするその他の方法として、プレディクションマーケットや、ビットコイン資産の空売りも利用できます。
おわりに
2021年、ビットコインは彗星のごとく躍進しています。単に価格面で伸び盛りなだけでなく、宴がまだ始まったばかりな点は特筆に値します。
今後10年間でお金のデジタル革命は前進あるのみでしょう。ビットコインは中心的役割を果たす見通しです。
未来を映し出す水晶玉はだれも持っておらず、ビットコイン価格が行き着く先はわかりませんが、強気サインは出ています。
もちろん、予想外の出来事が世界を襲い、その一部がビットコイン価格に悪影響を与えるおそれもあります。
2020年初頭の新型コロナウイルス感染症の流行は、まさにその典型例です。コロナ禍初期に価格はたちまち4,000ドルの節目まで下落しましたが、2021年には史上最高値である4万ドルを突破しました。
結局のところ、コロナ禍はビットコインにとって追い風だったのです。お金のデジタル革命が加速しただけでなく、ビットコインを安全な避難場所と見なす投資家が日に日に増えています。
確かなことが1つあります。それは「ビットコインの未来は明るい」ということです。
仮想通貨について知識を深めた今、Bybitに登録しませんか?