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仮想通貨(暗号資産)の神話を覆す:誤解トップ5の解明

中級者向け
仮想通貨
2024年10月21日

仮想通貨(暗号資産)により世界の金融環境は急速に変化していますが、神話や誤解が、仮想通貨の本来の可能性を依然として曇らせています。仮想通貨の匿名性、規制、資産価値、将来性についての誤解が原因で、人々がこの新興技術の受け入れに消極的になっている可能性があります。

この記事では、事実とウソを区別するために、仮想通貨に関して最も広く信じられている5つの神話を取り上げます。これらの誤解を解明することで、進化する金融界に仮想通貨がもたらす実際の機会と課題を明らかにしたいと考えています。

この記事のポイント

  • 仮想通貨により世界の金融環境は急速に変化しましたが、神話や誤解が、仮想通貨の本来の可能性を依然として曇らせています。

  • この記事では、仮想通貨に関して最も広く信じられている5つの神話を解き明かし、進化する金融界に仮想通貨がもたらす実際の機会と課題を明らかにします。

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仮想通貨に関する神話1:仮想通貨は完全に匿名である

多くの人が、仮想通貨は完全な匿名性を提供するので、秘匿性を要する活動に最適であると考えています。この神話は、ビットコインが初期に違法行為やダークウェブ取引と関連していたために広まりました。しかし、仮想通貨は本当に完全な匿名性を提供するのでしょうか?

仮想通貨は匿名ではなく仮名である

実際には、ビットコインやイーサリアムなどのほとんどの仮想通貨は匿名ではなく仮名、つまり、架空の名前を使用して取引されます。すべての仮想通貨取引は、だれでも閲覧可能な公開台帳(通常はブロックチェーン技術を使用)に記録されます。

取引IDやウォレットアドレスから個人の身元を直接確認することはできませんが、ブロックチェーン技術の透明性により取引の追跡・分析は可能です。法執行機関が取引の追跡を行い、違法行為に関与した個人を特定した実績があることから、仮想通貨が完全には匿名ではないことが証明されています。

仮想通貨に関する神話2:仮想通貨は一時的な流行にすぎない

疑い深い人々はよく、急速に衰退した過去の技術の流行と仮想通貨とを比較し、仮想通貨は一時的な成功にすぎないと主張します。しかし、仮想通貨の普及が引き続き進んでいることを考えると、「仮想通貨は単なる一時的な流行ではない」と言えるのではないでしょうか?

幅広い普及とイノベーション

2009年に初めてビットコインが発行されて以来、その世界最大の仮想通貨は懐疑的な人々により何度も「死んだ」と宣言されてきました。しかし10年以上経った今、ビットコインは、崩壊するとの予想に反してその資産価値と人気を飛躍的に高めています。

仮想通貨が主要な金融やテクノロジーに統合される動きが広がっており、仮想通貨の存続力がいっそう示されています。現在ではPayPalやVisaなどの大手企業が仮想通貨サービスを提供しています。また、エルサルバドルなどの国ではビットコインを法定通貨として採用しており、米国やカナダではビットコインATMが至るところに置かれています。

Web3ゲーム、分散型アプリ(DApp)、NFTRWAなどのトークン化された資産といったイノベーションにより、仮想通貨の有用性と魅力は拡大し続けています。この進化は、仮想通貨が単なる流行ではないことを明らかに示しています。それどころか、仮想通貨は世界のデジタル経済における大きな発展です。

仮想通貨に関する神話3:仮想通貨への投資により、短期間で確実に資産を増やせる

一部の仮想通貨が急上昇したことを受けて、多くの人々が、仮想通貨に投資すれば必ずすぐに資産を増やせると考えるようになりました。このような考え方は、わずかな投資額を巨額の富に変えたアーリーアダプターらをメディアが報道したことで広まりました。しかし、これは現実を正しく描いた信頼できる報道でしょうか?

仮想通貨市場はボラティリティが高く、予測不可能

仮想通貨のアーリーアダプターの多くは、実際に投資から大きなリターンを得ています。ビットコインをたった数ドルで購入できた幸運な人や、急上昇前に適切なアルトコインへ投資した人など、仮想通貨の億万長者ストーリーは豊富にあります。

しかしこれらの成功事例の影には、仮想通貨市場において多額の損失を被ったケースが数多く隠れています。仮想通貨市場は、価格が警告なしに急激に変動し得る、ボラティリティの高い予測不可能な市場なのです。 

価格は、市場センチメント、規制に関するニュース、技術的変化などの要因により、ある日急騰し、その翌日には急落することもあります。投資家は、十分に調査を行い、仮想通貨関連のテクノロジーと市場トレンドを理解して、損失を許容できる範囲内で投資することが重要です。

仮想通貨に関する神話4:仮想通貨は違法行為に利用されている

仮想通貨は、マネーロンダリング、麻薬密売、ランサムウェアの支払いなどの違法ビジネスと関係していることも珍しくありません。このような違法ビジネスとの関連性は、扇情的なメディア報道によって助長され、仮想通貨の違法な側面をさかんに強調してきました。しかし、この見方にはいくらかの真実が含まれているのでしょうか?

仮想通貨利用の大半は合法的

仮想通貨が犯罪行為に利用されているケースも一部ありますが、ほとんどの取引は完全に合法です。実際に、Chainalysisの2023年のレポートで、違法行為は仮想通貨の総取引高の1%未満であると推定されています。

海外送金投資、ゲーム、日常的な購入など、多くの正当な目的で仮想通貨の普及が急速に進んでいることから、仮想通貨の大半がダークウェブ以外で利用されていることを日々再認識できます。

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仮想通貨に関する神話5:すべての仮想通貨は同様に機能する

広く信じられている誤解の1つは、すべての仮想通貨が、交換媒体として使用されるさまざまな法定通貨と完全に同じように機能するというものです。しかし、仮想通貨は本当に、従来の通貨のデジタル等価物にすぎないのでしょうか?

仮想通貨は目的や技術が異なる

米ドル、ユーロ、円などの法定通貨は支払いや価値の貯蔵に使用されていますが、仮想通貨は幅広い機能や技術を提供します。ビットコインは初の仮想通貨であったため(そして依然として最も有名な仮想通貨であるため)、他のすべてのデジタル資産の基準だと誤認されることがよくあります。

ところが、仮想通貨は実際のところ、それぞれ独自の目的と基盤技術を有しています。たとえば、イーサリアムスマートコントラクトとDAppに重点を置いていますが、XRPは国境を越える決済を円滑に進めるため設計されています。USDCは米ドルにペッグ(連動)するステーブルコインです。

ビットコインは取引の検証にプルーフ・オブ・ワーク(PoW)コンセンサスアルゴリズムを使用していますが、カルダノなど他の仮想通貨はプルーフ・オブ・ステーク(PoS)などのメカニズムを使用しています。こうした目的や技術の違いは、すべての仮想通貨が同様に機能しないことを示しています。

終わりに

「仮想通貨は流行にすぎない」「規制されていない」などの仮想通貨に関する誤解により、実際の仮想通貨の影響がわかりにくくなっている可能性があります。仮想通貨は、実際には独自の技術を有する多様なエコシステムであり、さまざまな業界で普及が進んでいます。こうした神話を打破することで、わたしたちは仮想通貨がどのようにイノベーションを推進し、世界のデジタル経済を再構築しているかをより深く理解できます。

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