Bybit APIキーの作成・設定方法
取引APIは、カスタマイズの汎用性や柔軟性が優れているため、幅広い用途に使用されています。取引APIの統合は自動化にとって特に有益で、ポートフォリオ管理、市場動向の分析、高度な取引戦略の導入などが可能になります。暗号資産市場の発展に伴い、需要増加に対応するため最新版の製品や機能では統合化が進んでおり、Bybit APIの展開もその一環です。
このガイドでは、Bybit APIを他の自動取引アプリケーションと統合する方法をご説明します。
重要事項:
APIとAPIキーは連携して動作し、複数のアプリケーションを協調させることができます。
Bybitは、ウェブソケットAPIやREST APIから従来の市場APIまで、多数のAPIを提供しています。
APIを活用すると、ユーザーインターフェースや設定のカスタマイズ、コピートレード戦略の自動化が可能になり、取引の速度や正確性を高められます。
Bybit APIとは?
Bybit APIは、プログラムによりBybitプラットフォームとのインタラクションを行えるようにする一連のアプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)です。Bybitは業界トップクラスの暗号資産デリバティブ取引所で、様々なデジタル資産の取引手段を提供しています。APIを活用すると、市場データへのアクセス、注文管理、取引執行、データストリームの購読などが可能になります。
APIには、各種の製品や機能に対応する複数のバージョンがあります。たとえば、V3 APIは現物取引、USDC無期限およびオプション契約をサポートしており、V2 APIはインバース無期限および先物契約をサポートしています。セキュリティを最大限に高めるため、Bybit APIはHMAC暗号化を認証に使用しています。Bybit APIとの統合には、Python、Node.js、ウェブソケットなど各種のツールや言語を使用できます。
APIとAPIキーの違いを解説
APIとは、各種のルールと言語を使用する通信プロトコルであり、アプリケーションの相互連携を可能にします。たとえば、ウェブAPIはHTTPプロトコルを使用しているため、JSONやXMLなどの一般的なデータフォーマットを介して、ウェブベースのリソースにアクセスできます。
それに対して、APIキーはパブリックキーまたはプライベートキーの形式をとります。APIキーは認証キーまたはアクセストークンとして機能します。API機能へのアクセスを要求する際に、認証形式として一意の文字列を使用します。これらの認証キーはAPIのプロバイダーが生成します。その主な目的は、各種のクライアントやアプリケーションによるAPIの使用状況を追跡することです。
Bybit V3 APIとV5 APIの違い
Bybit V3 APIはBybit APIの旧バージョンであり、通常アカウントと統合アカウントでリニア契約やインバース契約をサポートします。Bybit V5 APIは最新バージョンであり、統合アカウントでの現物契約、デリバティブ契約、オプション契約をサポートするようになりました。
V3 APIとV5 APIの主な違いは以下のとおりです。
Bybit V3 APIは特定の取引商品だけを対象としており、対象外の商品には専用のAPIが用意されています。一方、V5 APIは様々な取引商品のAPIをまとめており、単一のAPIで現物契約、デリバティブ契約、オプション契約を取引できます。
Bybit V5 APIを使用すると、アカウントを統合取引アカウントにアップグレードして、各種の契約タイプ間で資金の共有や相互活用が可能になります。これはV3では不可能です。
V5 APIは統合取引アカウントモードでの借入をサポートしており、複数の資産を担保として証拠金を確保できます。その証拠金は各種商品の取引に利用可能です。
V5 APIを統合取引アカウントで利用すると、USDT無期限、USDC無期限、USDC先物およびオプション契約の間で、証拠金を組み合わせて利用することもできます。
Bybit V5 APIはV3 APIに基づいて構築されており、URLとインターフェースのフィールドを調整するだけで簡単にアップグレードできます。
さらに詳しく:Bybit APIドキュメント
BybitでAPIキーを作成する方法
Bybitをサードパーティアプリで使用するには、まずBybitプラットフォームでAPIキーを作成する必要があります。ただし、その前にIPレート制限について理解することが欠かせません。
IPレート制限について理解する
IPレート制限は、受信リクエストのIPアドレスに基づいてネットワークトラフィックを規制し、一定の期間内に過剰な回数のアクションが繰り返されないようにします。Bybitでは、公開データ、プライベートデータ、注文発注などのリクエストごとにレート制限が異なります。
各リクエストタイプのレート制限を超えるとエラーコードが表示され、そのリクエストは拒否されます。これを回避するには、リクエストの頻度をモニタリングし、必要に応じて頻度を減らす必要があります。また、一部のリクエストについては、REST APIではなくウェブソケットAPIの使用を検討してください。ウェブソケットのリクエストはレート制限にカウントされません。
APIの接続手順
BybitのAPIをアプリケーションやプラットフォームで使用するには、まずBybitでAPIキーを作成してから、目的のプラットフォームに接続します。手順は以下のとおりです。
Bybitアカウントにログインするか、Bybitアカウントの登録を行います。
画面右上にあるアカウントのアイコンをクリックし、ドロップダウンメニューから [API] を選択します。
[API管理] タブに移動して、[新しいキーの作成] をクリックします。
[システム生成APIキー] または [自動生成したAPIキー] を選択します。
[サードパーティアプリ紐づけ] を選択します。ドロップダウンメニューからサードパーティアプリを選択し、[APIキーの名前] に名前を入力します。
APIキーに関する権限(アカウント情報、注文発注、ポジション情報など)を設定して、[送信] をクリックします。
APIキーとシークレットキーをコピーして、安全な場所に保存します。
サードパーティアプリにログインし、保存したAPIをリンクします。
Bybitで3Commas APIを接続する方法
Bybitと3Commas暗号資産取引プラットフォームを連携させる場合は、まずAPIキーを使用して接続します。手順は以下のとおりです。
Bybitアカウントにログインするか、Bybitアカウントの登録を行います。
画面右上にあるアカウントのアイコンをクリックし、ドロップダウンメニューから [API] を選択します。
[API管理] タブに移動して、[新しいキーの作成] をクリックします。
[システム生成APIキー] を選択します。
[サードパーティアプリ紐づけ] に変更し、アプリケーション名のドロップダウンから [3Commas] を選択します。
APIキーに関する権限(アカウント情報、注文発注、ポジション情報など)を設定します(3Commasでアカウントデータの表示のみを行う場合は、[読み取り専用] を選択することもできます)。
[送信] をクリックしてAPIキーを生成します。APIキーとシークレットキーが画面に表示されますので、クリップボードにコピーするか、ファイルとしてダウンロードしてください。
3Commasアカウントにログインするか、新規アカウントの作成を行います。
[My Exchanges(取引所)] ページに移動し、[Add Exchange(取引所を追加)] をクリックします。
サポートされている取引所のリストから [Bybit] を選択し、Bybitで生成したAPIキーとシークレットキーを入力します。Bybitの [アカウント情報] ページに記載されているUIDも入力する必要があります。
[Connect(接続)] をクリックしてBybitアカウントを3Commasにリンクします。
以上の手順を完了すると、3CommasとBybitを連携させて、各種取引ツールや機能にアクセスできます。APIキーを更新・削除する必要がある場合は、BybitのAPI管理ページ、または3Commasの [My Exchanges(取引所)] ページから行えます。
BybitでInsilico APIを接続する方法
Insilicoは多様なツールと機能を備えた暗号資産取引プラットフォームです。インタラクティブなチャート、注文板、取引、商品、アクティビティ、注文、ポジション、設定、構成、執行パネル、サイドパネルなどを利用できます。
BybitアカウントをInsilicoにリンクする方法は以下のとおりです。
Bybitアカウントにログインします。
画面右上にあるアカウントのアイコンをクリックし、ドロップダウンメニューから [API] を選択します。
[API管理] タブに移動して、[新しいキーの作成] をクリックします。
[システム生成APIキー] を選択します。
[サードパーティアプリ紐づけ] に変更し、ドロップダウンから [Insilico Terminal] を選択します。これで、キーがInsilicoのサーバーIP範囲にロックされます。
APIキーに関する権限(アカウント情報、注文発注、ポジション情報など)を設定します。Insilicoでアカウントデータの表示のみを行う場合は、[読み取り専用] を選択することもできます。
[送信] をクリックしてAPIキーを生成します。APIキーとシークレットキーが画面に表示されますので、クリップボードにコピーするか、ファイルとしてダウンロードしてください。
Insilicoアカウントにログインするか、新規アカウントの作成を行います。
[Settings(設定)] ページに移動し、[Add Exchange(取引所を追加)] をクリックします。
サポートされている取引所のリストから [Bybit] を選択し、Bybitで生成したAPIキーとシークレットキーを入力します。Bybitの [アカウント情報] ページに記載されているUIDも入力する必要があります。
[Connect(接続)] をクリックして、BybitアカウントをInsilicoにリンクします。
APIテストにBybitテスト環境を使用できますか?
はい。Bybitテスト環境を使用してAPIテストを行うことはできますが、データや取引は架空のものですので、実際の市況を反映していない可能性があります。Bybitテスト環境(テストネット)は仮想取引プラットフォームであり、実際の資金投入によるリスクを負わずにAPIの戦略やコードをテストできます。REST API、ウェブソケットAPI、過去の市場データなど、BybitのAPIサービスを利用できます。
Bybit APIの種類
Bybit APIには3種類のインターフェースがあります。
REST API
REST APIはGET、POST、PUT、DELETEなどのHTTPメソッドを使用して、リクエストとレスポンスの送受信を行えるインターフェースです。REST APIを利用すると、市場データの問い合わせ、注文の発注や変更、ポジションの確認など、様々なアクションをBybitのプラットフォームで実行できます。REST APIは低頻度かつ高レイテンシーのリクエストに最適です。
ウェブソケットAPI
Bybitサーバーとの永続的な接続を確立できます。また、ウェブソケットプロトコルを使用して最新情報をリアルタイムで受信できます。ウェブソケットAPIとウェブソケットデータを活用すると、注文板、Kライン、取引、資金調達率、注文ステータス、ポジションステータスなど、市場データやプライベートデータに関する様々なトピックの購読が可能です。ウェブソケットAPIは高頻度かつ低レイテンシーのリクエストに最適です。
さらに詳しく:ウェブソケットAPIによる購読。
過去の市場データ
過去の公開市場データをCSV形式でダウンロードし、戦略のバックテストや市場動向の分析に利用できます。過去の市場データには、注文板のスナップショット、Kラインデータ、取引データ、資金調達率データなどがあります。
さらに詳しく:Bybit市場データAPIのダウンロードはこちら。
Bybit APIの活用方法
Bybit APIは取引体験とパフォーマンスを向上させる強力なツールです。以下のようなメリットがあります。
取引戦略の高速・高精度な自動化。Bybit APIにより取引ボットの作成と実行が可能になります。取引ボットを利用すると、注文の発注、変更、キャンセルのほか、定義済みのロジックやパラメーターに基づくポジション管理が行えます。APIを使えば、サードパーティの取引ツールや機能との統合も可能になります。
リアルタイム市場データや過去の市場データへのアクセス。ウェブソケットAPIを使用すると、市場データに関する様々なトピックの購読や、リアルタイムでの最新情報の受信ができます。また、過去の公開市場データをCSV形式でダウンロードし、市場動向の分析、取引機会の発見、戦略のバックテストなどに利用することもできます。
ユーザーインターフェースと設定のカスタマイズ。独自のユーザーインターフェースとダッシュボードを作成し、ニーズに合わせた情報や機能を表示できます。また、マージンモード、レバレッジレベル、リスク制限などの設定や構成を変更できます。
Bybit APIは無料ですか?
Bybit APIは無料で利用でき、追加料金や手数料はかかりません。ただし、プラットフォーム上で行った取引については通常の取引手数料や資金調達料が適用されます。
おわりに
Bybit APIは有益なツールやインターフェースとして活用できます。プログラムコードによりBybitプラットフォームを双方向的に利用できるようになります。具体的な用途としては、取引戦略の自動化、リアルタイム市場データへのアクセス、ユーザーインターフェースのカスタマイズなどがあります。
上記の手順で、Bybit上でAPIキーの設定を行い、3CommasやInsilicoなどのサードパーティアプリに接続できます。その際は、Bybit V3 APIとV5 APIの違いに注意してください。また、スムーズに取引を行うにはIPレート制限を守ることが重要です。