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ZetaChain(ZETA):さまざまな仮想通貨を統合するオムニチェーン

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2024年2月28日

ブロックチェーンネットワークは、厳重なセキュリティを維持し、外部からの攻撃を遮断するように設計されています。そのため、クロスチェーンの円滑なデータ交換という点では問題にぶつかる場合が少なくありません。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ポリゴン(POL)といった初期のブロックチェーンは、それぞれの運用環境内における安全な運用と資産振替を優先するように設計されています。このため、複数のブロックチェーンにまたがって資産を送ったり、スマートコントラクトを実行したりすることは決して簡単ではありません。

クリプトブリッジは、円滑なクロスチェーン資産振替を容易にします。しかし、多くの場合、送信元ネットワークでトークンをバーンし、宛先チェーンで同等の資産をミントする必要があります。その結果、効率とスケーラビリティが低下し、振替コストがかさみます。互換性の高いチェーンの間でのクロスチェーントランザクションでさえ、大幅なオーバーヘッドを伴います。クロスチェーンでスマートコントラクトを実行するとなると、選べる選択肢はさらに限られます。

ブロックチェーン間通信の効率が悪いことから、解決策を探ろうとする研究開発が活発に行われています。特に有用と思われる最新技術の1つがZetaChain(ZETA)です。ZETAの先駆的なプラットフォームは、複数のブロックチェーンネットワーク間でデータを読み書きできるため、クロスチェーンでのデータ交換とスマートコントラクトの実行が可能です。

この記事のポイント

  • 相互運用可能なレイヤー1ブロックチェーンであるZetaChainは、さまざまなブロックチェーン間でデータを読み書きするオムニチェーンスマートコントラクトを提供します。軽量クロスチェーンメッセージングを特長とし、相互運用性が高まるように外部資産を管理します。

  • ZetaChainのオムニチェーンコントラクトは、イーサリアムやポリゴンのようなスマートネットワークに対応するだけでなく、プラットフォームのDApp内でビットコインやドージコインのような非スマートコントラクトチェーンの資産を使用することもできます。

  • ネイティブトークンであるZETAは、ガバナンスや、ブロック特典、ガス料金、クロスチェーントランザクションの支払いなど、いくつもの役割を担っています。

ZetaChainとは?

ZetaChain(ZETA)はレイヤー1ブロックチェーンであり、クロスチェーンでのデータ交換とスマートコントラクト実行を可能にする相互運用可能なプラットフォームです。ZetaChain上に構築された分散型アプリ(DApp)は、異なるチェーン間でデータを読み書きできるスマートコントラクトを利用します。その結果、あたかも単一のブロックチェーンを基盤として運用されているかのように、DAppが複数の異なるブロックチェーンの特長を活かすことができます。ZetaChainは、イーサリアムやポリゴンのようなスマートプラットフォームだけでなく、そのような機能をネイティブに備えていない非スマートコントラクトチェーン、たとえばビットコインやドージコイン(DOGE)でもオムニチェーンプログラマビリティをサポートします。

ZetaChainプロジェクトを2021年に立ち上げたのは、Coinbaseの元チームメンバーで仮想通貨「ベーシックアテンショントークン」(BAT)の生みの親でもあるAnkur Nandwani氏です。ZetaChainプラットフォームは、2022年にテストネットの運用を開始しました。ほどなく、ZetaChainの革新的コンセプトであるオムニチェーンスマートコントラクトは投資家コミュニティの大きな関心を集め、2023年にVC(ベンチャーキャピタル)から2,700万ドルを調達しました。2024年2月1日、ZetaChainはメインネットをローンチしました。

ZetaChainプラットフォームは、理論上あらゆるチェーンをつなぐことができます。ただし、現在のところ、ZetaChainチームは特に大規模なブロックチェーンであるビットコイン、イーサリアム、ポリゴン、BNBチェーン(BNB)の統合作業に重点的に取り組んでいます。

ZetaChainのしくみ

基本レベルでは、ZetaChainのレイヤー1ブロックチェーンはCosmos SDKとTendermintコンセンサスエンジンを使用し、スマートコントラクト機能を備えたプルーフ・オブ・ステーク(PoS)アルゴリズムで動作します。ZetaChainのスマートコントラクトは、接続を確立したすべてのチェーン上でデータを読み書きできるので、複数のチェーンにまたがるシームレスな資産振替とスマートコントラクト実行が可能です。

このようなオムニチェーン機能を備えているため、ZetaChainベースのDAppは、資産をブリッジしなくても他のチェーン上の資産を利用できます。スマートチェーン機能を持たないビットコインなどのチェーンにも対応しています。ZetaChainアーキテクチャは、オムニチェーンスマートコントラクトを動かすイーサリアム互換エンジンZetaEVM(zEVM)を備えています。

ZetaChainの主な特長

ハイパーコネクテッドノード

前述のように、ZetaChainはPoSネットワークです。そのため、ZetaChainはトランザクションのブロックを処理するバリデーターノードに依存しています。これらのコアバリデーターに加え、ハイパーコネクテッドノードという別の種類のネットワークアクターも備えています。このような特別なノードは、マルチチェーンセットアップ全体にわたってクロスチェーンの通信とトランザクションを常に監視し、クロスチェーンでの交換中に発生するおそれのある不整合なトランザクションや不正トランザクションにフラグを立てる際に役立ちます。

コアバリデーターノードの仕事は、メインのZetaChainレイヤー1ネットワークを保護することです。一方、ハイパーコネクテッドノードは、クロスチェーンセキュリティの保護を主な役割としています。

オムニチェーンコントラクト

オムニチェーンスマートコントラクトは、ZetaChainプロトコルの最大の特長です。異なるブロックチェーンネットワーク間のトランザクションアクティビティをオーケストレーションするために使用されます。ZetaChainは、オムニチェーンスマートコントラクト機能を提供するためにZRC-20トークン規格を実装しました。これは、イーサリアムと他のEVM互換ネットワークで使用されるERC-20規格を拡張したものです。ERC-20とは異なり、ZetaChainのZRC-20規格は、非スマートチェーンを基盤とする資産のスマート機能をサポートできます。

ZetaChainのクロスチェーンプロトコル上では、あらゆる代替性仮想通貨(イーサリアムやポリゴン上のERC-20トークン、BTC、DOGE、その他の資産タイプ)をZRC-20トークンとして表せます。この統一規格を使用することにより、ZetaChain DAppは、トランザクションアクティビティがあたかも単一のネットワーク上で発生しているかのように、接続されているすべてのチェーンでアクティビティを連携させられます。したがって、参加中のチェーン全体にわたって資産を複数の形式で表す必要はありません。このきわめて重要なイノベーションにより、ZetaChainは非常に便利なエコシステムになりました。ビットコイン、イーサリアム、ERC-20トークンのすべてを単一チェーン上の複数のDAppで利用できます。

出所:ZetaChain.com

クロスチェーンメッセージパッシング

さらに、ZetaChainは、異なるブロックチェーン間で軽量データを受け渡すためのクロスチェーンメッセージングにも対応しています。アプリがフルスケールのスマートコントラクト機能を必要としない場合は、クロスチェーンのメッセージとデータ転送を使用できます。複雑な機能やスマートコントラクトのロジックを利用するにはオムニチェーンコントラクトが必要ですが、たとえば最小限のデータ交換しか必要としないNFT送金や基本的なDAppなどのシンプルな用途には、クロスチェーンメッセージングの方が適しています。

外部資産の管理

ZetaChainプロトコルは、他のブロックチェーン上でホストされている資産やボールトのリモート管理にも使用できます。この機能を使用すると、ビットコインやドージコインのような非スマートコントラクトチェーンにスマートコントラクトロジックを適用可能です。

ZETAとは?

ZETAはZetaChainのネイティブ仮想通貨トークンで、ブロック特典やガス料金の支払いのほか、クロスチェーントランザクションにも使用されます。また、流動性の提供や、LP(流動性提供者)へのインセンティブを目的として、プラットフォームの仮想通貨コアプールでも利用されています。さらに、ZETAはガバナンストークンの役割も果たします。ZETA保有者は、プロトコルとZETAのレイヤー1チェーンに影響を与える、ネットワークやポリシーの重要な変更に関する投票に参加できます。

トークンの初期供給量は21億ZETAと定められており、すでにミントされています。このうち3,150万ZETAは、プラットフォームのメインネットローンチ前にZetaLabsを使用して貢献してきた参加者のみを対象とするジェネシスエアドロップに割り当てられています。2023年8月20日にスナップショットが実施され、80万人以上の参加者が対象と判断されました。

当初4年間、合計供給数量は21億ZETAのまま固定されます。その後は、年約2.5%ずつ供給量が増えていきます。トークンの正確な供給増加量は、その時点でのZETAの循環供給量に左右されます。ZETAの当初の供給配分率については、以下の画像をご覧ください。

ZETAのトークン配分。出所:ZetaChain.com

ZetaChain(ZETA)は優れた投資対象か?

ZETAトークンへの投資は、以下の点を参考にしてご検討ください。

1. ZetaChainは、ネイティブレベルのクロスチェーン通信や資産操作を可能にする初めてのプラットフォームの1つです。この機能は広く普及する可能性を秘めています。DAppが洗練されるにつれ、開発者も運営者もこのプラットフォームが提供するオムニチェーン機能にますます強い関心を持つようになるでしょう。ZetaChainスマートコントラクトが広く採用されるようになれば、結果としてZETAトークンの需要も高まると予想されます。

2. ZetaChainが備えているもう1つの有望な機能として、非スマートコントラクトチェーン(ビットコインやドージコインなど)のためのスマート機能や外部資産管理を可能にすることが挙げられます。この機能は特にビットコインブロックチェーンに適しています。最新の推計によると、世界のBTC総保有者数は1億人を超え、ブロックチェーン業界において非常に大きな潜在的ターゲット層となっているからです。

多くのクロスチェーンソリューションが、スマートコントラクトに似た機能をビットコインに取り入れようとしていますが、ZetaChainにはそれらと決定的に異なる点が1つあります。ZetaChainのDAppなら、ビットコイン資産の管理を他の有力チェーン(イーサリアム、ポリゴン、BNBなど)と簡単に統合できるという点です。たとえば、ZetaChainを使用すれば、高度なDeFi運用や、ETH、BNB、POLなどの有力仮想通貨とのスワップにBTC資金を活用できます。

ZETAの購入方法

ZETAは、Bybitで現物ペア(ZETA/USDT)またはUSDT無期限契約(ZETAUSDT)として購入できます。2024年1月31日から2024年2月19日までは、トークンスプラッシュキャンペーンに参加して、30万ZETAの賞金プールから賞金を獲得可能です。Bybitに初めてご登録いただくお客様の場合、300 ZETA以上を入金するか、100 USDTを入金してZETAを取引すると、100 ZETAを獲得できます。また、Bybitをすでにご利用いただいているお客様の場合、同じタスクを完了すると25 ZETAを獲得できます。

さらに、2024年1月31日から2024年2月14日までは、Bybitローンチプールでステーキングに参加すると、170万ZETAの賞金プールから賞金を獲得できます。ステーキングでは、USDTプール(85万ZETAの賞金プール)、ZETAプール(85万ZETA)のいずれかを選択可能です。

終わりに

ZetaChainのメインネットローンチは、ブロックチェーン技術の進化における大きな一歩です。ZetaChain独自のオムニチェーンスマートコントラクトは、異なるチェーンをまたいだネイティブレベルの資産運用をシームレスに実施できるからです。

革新的なZetaChainプロトコルの登場により、いくつものブロックチェーンプラットフォームで資産とコントラクトの運用を統合できるDAppが開発され、業界標準になる日も遠くないかもしれません。