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ビットコインの流動性ステーキング:BTC保有者の新たな収益機会

中級者向け
ビットコイン
Web3
2025年1月15日

ビットコイン流動性ステーキングが普及しつつあり、仮想通貨(暗号資産)の利回りを創出する手段が大きく進化しています。このイノベーションの核となるのは、Babylonです。Babylonは、LombardやpSTAKEといった、ビットコイン流動性ステーキングプロトコルの基盤となるノンカストディアル(自己管理型)インフラストラクチャです。Babylon上に構築することによって、これらのプロトコルでは、BTC保有者が流動性を維持しながらステーキング報酬を得られるようになっています。また、BTC保有者は、自らの資産の流動性を維持しながら報酬を得て、ビットコインの価値貯蔵機能の役割と、分散型金融(DeFi)における収益機会を両立させています。

本記事では、ビットコイン流動性ステーキングの仕組みを説明し、メリットとリスクについて考え、試す価値があるかどうかを検討します。また、急速に成長を遂げるこのエコシステムにおいて、普及を促す原動力となっている、ビットコイン流動性ステーキングのリーディングプラットフォームを分析します。

この記事のポイント

  • ビットコインの流動性ステーキングは、BTC保有者が、プルーフ・オブ・ステークのネットワークに参加して、パッシブインカムを獲得し、取引可能なトークンを受け取ることができるDeFiのメカニズムです。広範なDeFiのエコシステムで、ビットコインの流動性と実用性を維持します。

  • 最も優れたビットコイン流動性ステーキングプロトコルには、Lombard Protocol、Babylon、pSTAKE Financeなどがあります。

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ビットコイン流動性ステーキングとは?

ビットコインの流動性ステーキングは、BTC保有者が、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)のネットワークに参加して、パッシブインカムを獲得し、取引可能なトークンを受け取ることができるDeFiのメカニズムです。広範なDeFiのエコシステムで、ビットコインの流動性と実用性を維持します。

流動性ステーキングプロトコルは、ビットコインのエコシステムに、新たなイールドベアリングの機会をもたらします。イーサリアムの流動性ステーキングは、ネットワークバリデーションの報酬から利回りを創出しますが、ビットコインの流動性ステーキングは、ほかのブロックチェーンネットワークのセキュリティを確保することによって、レイヤー2ソリューションを通じて、リターンを生み出します。レイヤー2ソリューションは、価値貯蔵機能としてのメインの機能にとどまらず、BTCの実用性を高めます。

ビットコイン流動性ステーキングの仕組み

ビットコインの流動性ステーキングは、従来のビットコイン保有とDeFiの機能を両立させる簡単なプロセスによって運用されています。利用者はビットコインのステーキングを行う際に、流動性を維持しながら利回りを生み出す特別なDeFiプロトコルとインタラクションします。

利用者はまず、ビットコインを流動性ステーキングプロトコルに預け入れます。このプロトコルでは、マルチシグネチャーウォレット、またはプラットフォームに応じたその他のセキュリティメカニズムなど、さまざまな手法を用いて、ビットコインが安全に保管されます。

利用者はまず、選択した流動性ステーキングプロトコルにビットコインを預け入れます。このプロトコルは、マルチシグネチャーウォレットや、その他のセキュリティメカニズムなど、さまざまな手法で預け入れられた資産を安全に保管します。リターンとして、利用者は、ステークしたBTCとトークンを1対1とする流動性ステーキングトークン(LST)を受け取ります。

このLSTは、さまざまなDeFiアプリケーションで使用できます。一方、担保となるビットコインは、Babylonなどのプロトコルを通じて、PoSネットワークのセキュリティを確保する役割を果たします。ステーキング報酬は、使用される特定のビットコイン流動性ステーキングプラットフォームに応じて、ポイントシステム、プロトコルのインセンティブ、ネットワーク料金などによって生み出されます。

たとえば、pSTAKEのYBTC、Lombard、またはCoreのLstBTCなどのプラットフォームを使用する場合、ステーキングされたビットコインは、ネットワークのセキュリティ確保に役立てられます。報酬は通常、プロトコルのネイティブトークンを通じて、毎日分配されます。利用者は、LSTのポジションを保有ながら、プロトコルのネイティブトークンを受け取ることができます。

アンステーキング(ステーキング解除)のプロセスも同じように簡単です。利用者は、適用されるアンボンディング解除期間、またはプロトコル固有の条件に応じて、いつ選択するかを問わず、LSTと元のビットコインを引き換えます。

ビットコイン流動性ステーキングのメリットとデメリット

ビットコインの流動性ステーキングは、利回りを生み出すユニークな機会を提供しますが、固有のリスクも伴うため、投資家は慎重に評価する必要があります。

メリット

  1. パッシブインカムの創出:利用者はステーキングを通じて、保有しているビットコインから継続的に報酬を獲得し、所有権や流動性を損なうことなく、パッシブインカストリームを創出することができます。

  2. 流動性の維持:利用者は、LSTで完全な流動性を維持することにより、ビットコインでステーキング報酬を生み出しながら、DeFiで取引し、DeFiに参加することができます。

  3. 資本効率の向上:ビットコイン保有者は、LSTを仮想通貨レンディングやその他のDeFiアクティビティの担保として使用しながら、ステーキングの利回りを得ることで、資本の有用性を倍増させることができます。

  4. ネットワークへの参加:ビットコインのステーキングによって、利用者はさまざまなPoSネットワークのセキュリティに貢献し、報酬を獲得して、エコシステムの成長を支えます。

デメリット

  1. スマートコントラクトのリスク:ステーキングプロトコルとマルチシグシステムに依存することで、利用者は、ビットコイン資産を損なう恐れのあるスマートコントラクトの脆弱性にさらされます。

  2. 価格の乖離:市場のダイナミクスによって、LST価格がビットコインの価値と乖離し、取引時やステーキングしたポジションの解消時にリスクが拡大する可能性があります。

  3. カウンターパーティリスク:プロトコルの運用者やバリデーターに依存することにより、従来のビットコインの保有では存在しない信用の要件が生じます。

  4. 技術的な障壁:複数のプロトコル、トークン、プラットフォームを管理する複雑さがあることから、DeFi初心者にとって、ビットコイン流動性ステーキングは難しいものとなるかもしれません。

最適なビットコイン流動性ステーキングプラットフォーム

ビットコイン流動性ステーキングの環境は、収益機会を求めるBTC保有者にさまざまな選択肢をもたらします。以下は、トップクラスのプラットフォームです。

Lombard Protocol

Lombardは、イーサリアムのLBTCトークンを通じて、ビットコインを利回りを生み出す資産へと変容させます。預かり資産(TVL)は15億ドルを超えています。このプロトコルは、Morpho、Pendle、Symbioticなどの実績のあるDeFiプラットフォームと連携するため、LBTC保有者はレンディング、借入、イールドファーミングの機会にアクセスできるようになっています。ステーキング報酬に5%の手数料がかかります。

機関投資家および個人利用者4,000人以上から2億3,000万ドルを集めたプライベートベータの成功を受け、Lombardは、パブリックベータに移行しました。Lombardは、定期的な監査とセルフカストディアル(自己管理型)モデルを通じて、厳格なセキュリティ基準を維持しており、LBTCがビットコインによって1対1の比率で完全に裏付けられるようになっています。

CoreのLstBTC

LstBTCは、Core Foundationによって最近立ち上げられました。Coreブロックチェーン上でビットコインと1対1でペッグされたERC-20トークンです。このプロトコルでは、デュアルステーキングモデルを通じて、毎日COREトークンの報酬を提供することができます。利用者は、ビットコインのトークンとCOREトークンの両方をステーキングして、より高い利回り収益を得ることができます。

2024年4月のリリース以来、Coreは5,500 BTC(約5億ドル)を超えるステーキング資産を集め、包括的なBTCFiエコシステムを構築してきました。このプロトコルは、ビットコインのマイニングハッシュパワーを生かしてセキュリティを強化しており、マイナーの約55%がネットワークの安定性に貢献しています。

Stroom Network

Stroom Networkは、ライトニングネットワークとの連携にフォーカスし、利用者がレイヤー2のアクティビティから報酬を獲得できるようにすることで、革新を起こしています。このプロトコルは、入金されたBTCをDeFiアプリケーションのstBTCトークンに変換し、利用者がノードインフラストラクチャを管理することなく、ライトニングネットワークのルーティング手数料を毎日獲得できるようになっています。

Stroom Networkは、105を超えるアクティブなチャネルと、18,000 TPS(秒ごとの取引件数)超を処理する能力を備えており、P2P.orgやAllnodesなどの実績のあるバリデーターによってセキュリティが確保されています。StroomのDAO構造とマルチシグシステムは、ライトニングネットワークとの連携を管理しながら、分散型ガバナンスを実現しています。

Babylon

Babylonは、ビットコイン保有者が、BTCステーキングを通じてPoSネットワークのセキュリティを確保できるようにするインフラストラクチャプロトコルです。ラッピングやサードパーティのカストディは必要ありません。2024年のリリース以来、このプロトコルのエコシステムに、約24,000 BTCが預け入れられています。

Babylonのプラットフォームは、革新的なタイムスタンププロトコルと、P2P.orgのような実績のあるバリデーターとのパートナーシップによって、セキュリティを最優先しています。利回りは競合他社より保守的ではあるものの、Babylonのセルフカストディアルモデルと強固なセキュリティ機能は、資産を自身で管理しながらビットコインを活用したいと考えている機関投資家を引き付けています。

pSTAKE Finance

pSTAKE Financeは、Babylonのインフラストラクチャ上でビットコインのステーキングを行うことにより、BTCの収益獲得をシンプルにしています。このプラットフォームは3,500万ドルを超えるTVLを保有しており、2つのコアサービスを提供しています。すべての利用者がアクセス可能な固定利回りの資産運用プロダクト(Bybit資産運用と同様)、そして、YBTCと呼ばれ、機関投資家向けにカスタマイズされたビットコインの利回りソリューションを提供するビットコインLSTです。

利用者は、Bybit Web3ウォレットなどのWeb3ウォレットを通じてネイティブなBTCをステーキングすることにより、ビットコインでセキュリティが確保されたネットワークからステーキング報酬を獲得できます。YBTCは、BTCと1対1の比率で裏付けされたイーサリアム上のイールドベアリングERC-20トークンです。LayerZeroと連携することにより、BNB Chain、Corn、B Squared、Bitlayerと相互運用可能になっています。

機関投資家は、BTCfiのエコシステムでYBTCを使用して、再ステーキングやイールドファーミングなどにフォーカスしたDeFiプロトコルから、さらなる利回りを生み出すことができます。このプロトコルのインセンティブ、ガバナンス、ステーキングトークンであるPSTAKEは、Bybit(バイビット)などの取引所で取引されます。BaseのL2チェーンでステーキングし、プロトコルやコミュニティのアクティビティに参加して、ビットコイン報酬を獲得することができます。

ビットコインの流動性ステーキングは試す価値があるか?

ビットコインの流動性ステーキングは、以下の場合、検討する価値があります。

  • これまでにアイドル状態となっているビットコイン保有資産からパッシブインカムを得たい

  • DeFiの機会に参加しながら流動性を維持したい

  • 報酬を得ながら、ブロックチェーンネットワークのセキュリティに貢献することに関心がある

  • LSTを担保として用いて、資本効率を最大化したい

  • 従来のレンディングプラットフォームにとどまらず、仮想通貨の利回り戦略を多様化したい

投資家は、参加する前に、プラットフォームのセキュリティを慎重に評価し、流動性ステーキングの技術的な側面を理解して、リスク許容度を評価する必要があります。また、スマートコントラクトの脆弱性とLSTの価格変動は、現実的なリスクをもたらします。得られる可能性のある報酬と照らして検討する必要があります。

自身の専門知識のレベルと目標に沿ったプラットフォームを選びましょう。pSTAKEのような確立されたプロトコルは、経験豊富なDeFi利用者に適しています。新規参加者には、CoreのLstBTCなどのユーザーフレンドリーなプラットフォームが使いやすいかもしれません。まず少額の資産で始めて、この仕組みに慣れてから、大きな額の資金を投じましょう。

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終わりに

ビットコインの流動性ステーキングは、ビットコインの実用性の大きな進化を象徴しており、保有者が広範なDeFiのエコシステムに参加しながら、収益を得る新たな手段となっています。テクノロジーとプロトコルは現在も開発中ですが、マーケットで普及が進み、イノベーションが続くことは、ビットコイン流動性ステーキング分野の明るい未来の兆しであると言えます。

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